町道ボックスを一般競争 矢板土木の408号バイパス 鋼跨線橋はJR委託 水路トンネルNATMで230m、31年度着工へ
[2018/8/21 栃木版]
県は、高根沢町の国道408号宇都宮高根沢バイパス3期工区1300mの整備で、今年度は北側路体盛り土区間で町道562号線を横断するボックス工を12月までに一般競争入札で発注する。同バイパス区間の主要構造物の設計は完了しており、上下線分離の跨線橋はJR東日本への施工協定に向け協議調整、水路トンネルは用地補償を進めており、31年度を目途に発注が本格化しそうだ。県矢板土木事務所によると、高台のバイパス用地に埋設された水路は東側に230mを付替え、北側からNATMで施工し、工期には約18カ月を見込んでいるとした。
バイパス中央部のJR東北本線跨線橋は上下線分離で、上部形式が単純細幅鋼箱桁(合成床版)の橋長は上り50.9m、下り51.7m。下部工は杭基礎箱式橋台4基。跨線橋北側でランプを設置する町道375号線は、同バイパスがアンダーパスし橋長が44.5mのPCポータルラーメン橋で、下部工は回転杭基礎逆T式橋台2基。
付け替える水路トンネルは延長230m(H2.2m×W2.2m)の馬蹄形とし、施工にあたっては北側から片押しのNATM工法を採用。跨線橋を挟み北は高低差を埋める盛り土・切土工事、南側の比高差を埋める箇所には補強土壁(テールアルメ)工法を採用する。
3期工区は、宇都宮那須烏山線から北側で、国道4号まで約1300mが事業区間。開通による効果を早期に発現させるため、暫定2車線による整備を進めていく。
JR跨線橋は、北側で町道375号線へのランプを設置。アクセス路を確保するため、開通前に上下線4車線分の橋梁を架設する。斜角60度の斜橋で、このうち下り線はランプが分岐する箇所に架設するため、幅員が13.7m~15.5m。上り線には歩道を設置、幅員は車道8.5mに歩道3.5mを内包する12.9mで計画。架設は列車の通行に支障が無いよう鉄道の建築限界6.0mを確保。東北本線は貨物列車が通る24時間運行体系のため、下部の施工・上部の架設をJR東日本に委託する計画。詳細設計は建設技術研究所(東京都中央区)が担当した。
町道375号線は408号をオーバーパスし同国道の上下線に連絡するランプを設置する。同町道の法線は橋梁架設に伴い北側に付け替え整備する。同町道橋の全幅は16.8mで、車道が9.0m、歩道を両側に3.5m確保する。
農業水利施設の機能を補償する水路トンネルは、北側を丘陵下の斜面から切通しのJR東北本線まで230mを新設する。既設のトンネルは道路となる高台に埋設。素掘りのトンネルで蛇行しており、影響のない東側に直線的に付け替える。詳細設計は大日本コンサルタント(東京都豊島区)が担当した。
国道4号への合流を含めた北側の水田地帯の氾濫原では、盛り土下に町道と2カ所で立体交差するボックスカルバートを施工する。ボックス工は南側から町道563号との交差部が延長78.0m(W5.0m×H5.8m)、町道562号線との交差部は延長68.0m(W5.75m×H6.3m)で、このうち562号線のボックス工を一般競争入札で第3四半期に発注する見通し。
3期工区は20年度に道路法線を固め、21年度にはJR線の橋梁予備設計に加え、町道375号線との交差部を除く道路詳細設計をまとめた。25年度はJR線や同町道との立体交差の詳細設計、河岸段丘に下りる比高を埋めるための盛り土や丘陵部の切り土法面、斜面の垂直土壁の補強方法などに検討を加えた。27年度には農業水路の詳細設計を実施。道路法線の検討と詳細設計は富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)が担当している。
同工区内ではJR跨線橋南側で、町道348号が北東側から流入して交差点を形成。408号下り線には右折レーンを設置。同交差点付近と上り線ランプを含め、道路幅員を確保するため、5カ所に延べ685mのテールアルメを施工する。
河岸段丘面の丘陵部から4号までは約450mで、高さ23mを25m区間で一気に下がる。整備では勾配を緩やかに保つため、丘陵部を切り土、水田地帯は盛り土で施工し、盛り土区間で交差する町道2路線をボックス工、町道117号線とは平面で交差。終点の国道4号は、鬼怒グリーンパーク入口交差点とした。