来夏にも解体に着手 村上給水場の改良事業(八千代市)
[2018/8/11 千葉版]
八千代市上下水道局上水道課は、計画中の村上給水場施設改良事業について、31年度の夏ごろをめどに配水池の改築工事をスタートさせる。工程として既存施設の解体工事や、ポンプの切り回しなどから着手する考えで、その後配水池3カ所の改築や耐震補強などを予定し、工事は3カ年で進める計画。現在は先月の入札で委託された環境技研コンサルタント(千葉市中央区)が実施(詳細)設計を進めており、年度内にも成果がまとまる見通しだ。
昭和51年4月に供用を開始した、村上団地内にある村上給水場(村上1157-1)は、3つの配水池を持ち、給水能力は1日当たり1万5,700立方mとなっているが、築造から40年以上が経つ施設もあり、老朽化が進んでいたという。
市では17年度、同じく市内の睦浄水場(島田台797-2)と合わせて、耐震診断業務を環境技研コンサルタントに委託。この結果、昭和50年度に建設されたRC造で容量5,500立方mの配水池兼管理棟(1号、2号配水池)は、地震動レベル2に対し耐力不足と判定されたため、耐力不足部位の大規模な耐震改修または再築造が必要と、耐震化の対策が示されるなどしていた。
これに伴い市は29年度の入札で基本設計等業務を環境技研コンサルタントに委託。配水池の上に管理棟がある構造となっている1号、2号配水池については改築することとし、一方で平成6年度に建設された容量3,280立方mの3号配水池については、耐震診断の結果も踏まえ、改築ではなく耐震補強で改修を図ることとした。
市は新たに整備する配水池はRC造を想定し、その容量についても現在と同規模程度とすることで検討している。
同給水場の改良事業については、29年度の予算案を審議した市議会3月定例会の予算審査特別委員会でも取り上げられ、委員の質問に対して同課がスケジュールについて「基本設計と実施設計を2カ年で行い、その後の31年度、32年度の2カ年で計画している」と答弁していた。
また、同市の総合計画の後期実施計画(29~31年度)でも、村上給水場施設改良事業が位置付けられており「安定給水を確保するため、17年度に実施した施設耐震診断を受け、配水池を築造するとともに、低層・高層配水ポンプや自家発電設備の更新及び受変電設備等の改良工事を行う」とされている。
同市の浄水場と給水場については、28年度に策定された水道施設再構築基本構想で、既存7カ所ある施設を統廃合により3カ所とする目標が掲げられており、村上給水場のほか、睦浄水場、萱田浄水場(ゆりのき台7-12)を他の浄・給水場の統合先とする方針。市の上下水道事業経営戦略の前期実施計画(28~32年度)にも浄・給水場の統廃合の検討として盛り込まれており、施設の更新需要が増加していく中、浄・給水場施設の更新に伴う投資の合理化を目的に、施設のダウンサイジングを進めるために、浄・給水場の統廃合について検討を進めるとしていた。
ダウンサイジングに当たっては、給水能力を全体で縮小させることも検討する一方、稼動させる施設を統廃合することで数を減らし、長期にわたってのランニングコストを縮減させることも視野に入れている。