市川南ポンプ場が着工へ 36年春にも供用 30年度は樋管築造(市川市)
[2018/8/9 千葉版]
市川市河川・下水道建設課は、市川南排水区で進めている浸水対策事業の一環である大和田ポンプ場(大和田2-22)が29年4月に供用を開始したことを受け、30年度に市川南ポンプ場の建設工事をスタートさせる。今年度は国土交通省関東地方整備局が雨水の放流先となる江戸川の堤防を開削し、樋管を築造する工事に着手。31年度以降は県下水道公社に工事を委託し、同ポンプ場へ流入する管渠の築造や、本体工事も進める考えで、36年春の供用開始を目指すとしている。
市は30年度の下水道事業会計当初予算で、30~35年度の6カ年総額66億7,500万円(30年度は5,000万円)の継続費を設定。これとは別に市川南排水樋管建設事業費として同様に、30~32年度の3カ年総額7億円(30年度は3億2,000万円)を計上している。
江戸川堤防の一部を開削する樋管新設工事については先月、関東地方整備局(江戸川河川事務所)が工事の一般競争入札を公告しており、9月18日の開札を予定する。幅2・5m×高さ2・0mで延長74・0mの函渠を築造するほか、樋門に加え小型水門や管理橋などの製作据付工などを、今秋~来春など渇水期を中心に32年3月を工期末として施工する予定でいる。
市川南ポンプ場の建設場所は、市川南3-2357ほかの敷地3,167平方mで、JR総武本線の江戸川橋梁の左岸部下流約0・5kmに位置。市は今年2月までに同地の用地取得を完了させている。
ポンプ場本体は、RC造地下2階地上3階建ての構造で、建築面積は約970平方m(高さ約13m)。計画排水量として1秒当たり約10立方mの機能を持たせる。設計については基本設計をエヌ・エス・シー・エンジニアリング(東京都台東区)、詳細設計を日水コン(千葉事務所・千葉事務所)がそれぞれ手掛けている。
建設工事を控えて市では、29日午後に2回にわたって、JR市川駅のおおむね西側に当たる第1排水区(約70ha)の住民を対象とした説明会を、同市の市川南仮設庁舎で開催する予定になっている。
JR総武本線の海側、同市の中央部に位置する市川南排水区は市内でも都市化の進展が著しく、雨水が地面に浸透しにくくなったことなどで、降雨時に浸水被害が発生することが多くなり、また、外環道が半地下構造として計画されたことで既存の雨水排水路が分断されることになったため、市は排水計画を見直し。外環道整備に併せたハード対策を進めることにした。
市川南排水区全体541haについてはこれまで、1秒当たり23立方mの排水能力を持つ秣川(まぐさがわ)排水機場1カ所のみで江戸川に排水していたが、排水区を分割して大和田ポンプ場と市川南ポンプ場を追加整備し、計3施設で1秒当たり60立方mの排水能力を持たせることとし、市では外環道東側のエリア(市川南第4排水区)244haの排水を受け持つ毎秒排水能力27立方mの大和田ポンプ場の新設を先行することとし、日本下水道事業団(JS)に委託して24年度に着工。29年4月に供用させている。