[2018/7/28　栃木版]
　県下都賀農業振興事務所は、計画調査を含む20地区に28億7324万円を投入する30年度の事業概要をまとめた。主要地区の配分額は、水路と旧機場撤去のかんがい排水西前原(栃木市)5億0394万円、圃整工30haに着手する経営体育成基盤整備の下稲葉(壬生町)7億4000万円、ゲート製作据付工事を行う宮前堰(下野市)3億円など。新規は、水利施設整備の部屋南部(栃木市)が全体計画設計、真弓(同)は施設の詳細設計、集落基盤整備の安足(足利市・佐野市)では付帯工を実施する。調査設計では馬門(佐野市)が計画を樹立し、31年度からの事業着手を予定した。

　調査設計は委託済み、工事は9月からの発注を見据え、河川協議や現地調整を進めていく。

　経営体育成基盤整備佐川南(野木町・小山市)は、29年度の継続で道路舗装工(W5.0m)を9月に発注。暗渠排水と雑工事を含めた付帯工は下期を予定した。塚崎・東野田(小山市)は、大川排水路を渡河する2カ所の橋梁工と暗渠排水20haを2分割で、計4件の工事を9月にも発注する見通し。橋梁は10m、幅員5.0mのボックス工で架け替えるもの。

　下稲葉は圃整工30haについて早ければ9月から発注を計画している。分割面積や件数は調整中とし、一級河川思川への排水樋管の新設についても河川協議を経て今秋の発注を予定した。新規の薬師寺・柴(下野市)は、法手続き中で年明けの事業着手を検討している。

　西前原地区は、水路工800mについて指名競争で9月を予定した。29年度補正予算で配分されたもの。旧機場の撤去工は下期に一般競争を適用する見通し。

　保全合理化の大岩藤は、分水工2件の補修工事を9月に発注。河川応急の押切用水堰(小山市)は、堰の全面改築で年内をめどにゲートの製作工を発注する計画。

　美田東部頭首工(小山市・栃木市)は、土砂吐ローラーゲート(B6.0m×H2.0m×2門)、洪水吐ローラーゲート(B15.0m×H1.7m×1門)、取水ゲート(B3.0m×H0.95m×3門)の据付工事を進めるほか、エプロン部の補修工事を9月に発注する。小倉堰(栃木市)は、ゲート施設更新、護床工、コンクリート堰の空洞化対策などを計画。今年度は年内をめどに、空洞化充填とゲート製作・据付工を発注する予定。

　基幹水利ストマネ三栗谷II(足利市)は、三栗谷に続く上流側の暗渠水路区間を除く約4.1kmが事業区間。今年度はこのうち足利市が改修を計画する区間を除き、下流側約500mの工事を発注する。市街地での施工となるため地元対策等を含め2件程度に分割した発注を検討している。

　国庫充当調査のうち、圃場整備が赤城A39haと大谷東部A135ha(小山市)の2地区。県単調査は農地防災減災の蟹川堰(下野市)が32年度の採択に向け計画設計。圃場整備は中谷A70ha(野木町)と計画樹立業務を行う馬門A51ha。水路の修繕では、絹(小山市)が用水路4.2kmの計画設計を行い、31年度の計画樹立を目指す。

　地区別事業概要は次の通り。([1]今年度の事業概要と事業費[2]発注予定時期[3]全体事業費と工期、単位・万円、▼は新規)

【かんがい排水】

▽西前原(栃木市)＝[1]排水路工事L800m、旧機場撤去、5億0394[2]9月～31年3月[3]38億4000、21～31年度

【経営体育成基盤整備】

▽塚崎・東野田(小山市)＝[1]農道橋2カ所、暗渠排水A20ha、2億6000[2]9月[3]17億3900、27～32年度
▽佐川南(野木町・小山市)＝[1]暗渠排水A3ha、道路舗装工L1000m、6700[2]9月[3]15億6000、24～31年度
▽下稲葉(壬生町)＝[1]圃整工A30ha、7億4000[2]9～12月[3]29億7900、29～35年度
▼薬師寺・柴(下野市)＝[1]法手続き中[2]-[3]15億5800、30～37年度

【河川工作物応急対策】

▽押切用水堰(小山市)＝[1]ゲート製作、2億[2]12月[3]7億8400、29～31年度
▽美田東部頭首工(小山市・栃木市)＝[1]取水・洪水吐ゲート据付、エプロン部補修、1億7800[2]12月[3]6億8400、27～32年度
▽小倉堰(栃木市)＝[1]空洞化充填、ゲート製作据付、2億7100[2]12月[3]10億2100、27～32年度

【基幹水利施設ストックマネジメント】

▽三栗谷II(足利市)＝[1]用水路工500m、1億[2]12月[3]9億5085、29～34年度

【農業水利施設保全合理化】

▽大岩藤(栃木市)＝[1]分水工、1億5230.2[2]9月[3]9億4600、25～30年度

【水利施設整備事業】

▼部屋南部(栃木市)＝[1]測量設計、2000[2]発注済(NTCコンサルタンツ)[3]23億1900、30～36年度
▼真弓(栃木市)＝[1]測量設計、1800[2]発注済(八汐コンサルタント)[3]4億4900、30～32年度

【集落基盤整備】

▼安足(足利市・佐野市)＝[1]水路付帯工、2000[2]12月[3]9億8000

【耕作条件改善事業】

▽宮前堰(下野市)＝[1]ゲート製作据付、3億[2]入札公告手続き中[3]6億、29～31年度

【実施計画策定事業】

▽赤城(佐野市)＝[1]計画設計一式、900[2]発注済(県土地改良事業団体連合会)[3]2382.8、27～31年度
▽大谷東部(小山市)＝計画設計一式、1400[2]発注済(県土地改良事業団体連合会)[3]4292.3、27～31年度

【県営調査計画】

▽蟹川堰(下野市)＝[1]計画設計、400[2]発注済(宇都宮測量)[3]1700、29～31年度
▽中谷(野木町)＝[1]計画設計、900[2]発注済(県土地改良事業団体連合会)[3]3100、29～33年度
▽絹(小山市)＝[1]計画設計、500[2]発注済(国土測量設計)[3]2413.3、27～31年度
▽馬門(佐野市)＝[1]計画樹立、200[2]発注済(県土地改良事業団体連合会)[3]2247.1、27～30年度