県と16市町が統合に参画 発注見通し 年4回公表市町が増加

[2018/7/3 栃木版]
 国主導による地域単位での建設工事発注見通しの統合・公表が進められているが、本県では県と16市町が参画していることが分かった。具体的には、県北地域が日光、矢板、さくら、那須烏山、高根沢の5市町。県央地域は宇都宮、真岡、上三川、茂木、芳賀の5市町とし、県南地域では足利、栃木、佐野、小山、下野、壬生の6市町。このうち佐野と矢板は、公表回数を上期と下期の2回から四半期ごとの4回に増やした。県と整合を図った対応で、地域単位での公表内容は最新の情報が重要視され、建設業界からも技術者の配置計画や労務資材の手配等について大いに役立っているなど評価が高い。

 国や特殊法人等、都道府県、市区町村の発注見通しが地域単位で公表する動きは、公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)を踏まえ、発注関係事務の運用の指針に明示されたもの。平成27年1月30日の公共工事の品質確保の促進に関する関係省庁連絡協議会申し合わせでは、工事発注準備段階において、地域ブロックごとに組織される地域発注者協議会や地方公共工事契約業務連絡協議会等を通じて各発注者が連携。発注者の取組や地域の実情等を踏まえ、発注見通しについて地区単位等で統合して公表するよう努めるとした。

 国と地方公共団体等の発注見通しの統合は、東北地方整備局が先行する形で試行。今年1月末時点では、47都道府県のうち44、全国では約44%に当たる約870団体まで増えてきた。公表項目は、▽発注機関(事務所・担当課等)▽工事名称▽工事場所▽入札契約方式▽工種▽入札予定時期▽工期▽工事概要▽概算工事規模(国・特殊法人等)-としている。

 本県では県の全発注部局が四半期ごとに公表。公共工事を所管する県土整備・農政・環境森林・企業の公共4部局は、追加や変更に応じて毎月第4週の金曜日に公表し、最新の情報等に更新している。

 入札契約適正化法では、公表回数は年2回以上、予定価格250万円を超える工事を対象としており、県内市町では工事発注件数等に応じて2回と4回に大別される。公表基準は地方自治法に定める入札にかける工事の予定価格130万円超を基準に、130万円と入契法の250万円が主体。県は1カ月単位で発注見通しの内容を見直すなど統合化は今後、市町の公表回数の増加や公表金額の見直しなどにも少なからず影響を与えそうだ。

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