日能研総研が最優秀 モノレール延伸の再検証(千葉市)
[2018/7/3 千葉版]
千葉市都市局交通政策課は、千葉都市モノレールの延伸計画を再検証する業務を委託するための簡易公募型プロポーザルで、審査の結果、日本能率協会総合研究所(千葉事務所・千葉市中央区)を優先交渉者(契約予定先)に決めた。近く契約する見通し。業務は31年2月28日を履行期限に進める。
この業務は、千葉都市モノレールの[1]モノレール1号線を青葉病院前までに延伸する計画[2]モノレール2号線をJR稲毛駅、JR稲毛海岸駅方面に分岐し延伸させるという2つの延伸計画について、事業の再検証のために各種分析を実施し、その費用対効果などについて算出することが目的。
業務ではまず、これまでのモノレール計画や上位計画から、将来都市人口や土地利用現況など、延伸計画ついて再検証するために必要な考え方を整理。延伸2区間については、パーソントリップ調査結果などを活用し、モノレール駅ごとに発着地ゾーンを特定。前提条件の把握や沿線施設利用者数などの整理、予測手法の検討・選定、延伸予測への対応、需要予測などから平均的な駅勢圏を設定し、将来利用者数を推計する。
併せて、これまでに算出されている費用について、時点修正するとともに、「インフラ部」と「インフラ外部」に分割した上で事業費を算出。また、「稲毛ルート」については病院ルートで算出された事業費をキロ当たりに換算し、想定されたルート延長を乗じることで事業費を算出するよう求めている。
これらにより、将来交通需要予測から運賃収入や最新の単価を用いた運営コスト、見直した事業費に基づき、収支採算性について試算。このほか費用便益分析や、延伸計画で期待される道路混雑緩和効果など考えられることに加え、既存バス路線などへの影響について検討など整備効果も検討する。
総延長約15・2kmで運行し、懸垂型のモノレールとして世界最長の営業距離を誇るという千葉都市モノレールのうち、千葉みなと駅~千葉駅~県庁前駅を結ぶ1号線は、現在終点となっている県庁前駅が、市立青葉病院までの建設計画の途中の駅の扱いとなっており、暫定開業している状態となっているものの、市の財政状況が好転するまで当分の間、凍結するとしていた。
一方で市は、21年10月に発表した「脱・財政危機宣言」を29年9月に解除。財政健全化の見通しが立ち、延伸についての議論が議会の一部から出てきたことから、再検証が必要と判断したという。今回の検証に当たっては、構想のみあった穴川駅~稲毛海岸駅についても内容に含めることにした。