三祐コンサルが改修計画 角田地区の江尻排水機場 31年度に事業化(阿武隈土地改良)
[2018/6/27 宮城版]
農林水産省阿武隈土地改良調査管理事務所は、角田地区事業計画整理その他業務を三祐コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。同業務は、角田市江尻巻向の江尻排水機場を改修するため、事業計画概要書案などをまとめる。本年度に農水省で事業計画を審査し、31年度で予算が認められれば、31~38年度の8年間で改修事業を進める見通し。事業費は約58億円を見込んでいる。
同業務の内容は、事業計画概要書案と予定管理方法書案の作成、土地改良事業計画書案の補足・修正、土地所有状況調査、点検とりまとめなど。国営施設応急対策事業で業務を進める。履行期限は31年3月8日。
業務委託に当たっては簡易公募型プロポーザルを採用し、5月11~30日に技術提案書を受け付け、審査を経て今月19日に同社と税抜1250万円で契約した。予定価格は1254万円。
江尻排水機場は、昭和59年から平成7年までの国営かんがい排水事業で建設された。阿武隈川の増水による湛水被害を防ぐ役割を担っており、増水時には水門を閉め、支流の尾袋川と雑魚橋川への逆流を防ぐとともに、排水を行う。
既存施設は、口径2600mmのポンプ4台が備わっており、排水能力が毎秒62t。建屋はRC造平屋978平方mの規模。築20年以上が経過し老朽化している。改修を予定するのは、ポンプ設備、機械設備、土台のコンクリート構造物など。建屋は耐震補強を計画している。
昨年度は「角田地区事業計画補足検討その他業務」を三祐コンサルタンツに委託し、江尻排水機場の改修に向けた機能保全計画や主要工事計画の作成、総費用総便益比の算定などを実施した。
江尻排水機場の管理は、国から委託されて角田市が行っている。ポンプの操作などは市から「あぶくま川水系角田地区土地改良区」に委託されている。
角田市によると、市や同改良区、県らで組織する国営土地改良事業角田地区推進協議会(会長・大友喜助角田市長)は、江尻排水機場の事業計画案を承認し、31年度の着工を国に要望する。事業費は国が3分の2、県と市、地元農家が残りを負担する。