121号文挾バイパスが始動 今年度に平面図化 現道西にルート、鹿沼市境まで6.5km(日光土木)
[2018/6/27 栃木版]
県は、日光市の国道121号(通称・例幣使街道)文挾バイパスの整備に向けた検討に乗り出す。25年3月に供用した板橋バイパスの南進区間について鹿沼市境までの約6.5kmのルートを検討していくもので、調査費の予算配分を待つ形で今年度に平面図化を委託する見通し。県日光土木事務所によると、現道東側はJR日光線と2カ所で交差、西側は一級河川行川との比高を考慮した法線の検討が必要とし、今年度開催予定の地元説明会では現道西側のルートを提示する見通しを示した。
同地の121号は、両側に杉並木が囲むように連続し、幅員が狭く屈曲、大型車両の交互通行にも支障を来している。例幣使街道をはじめ、国道119号の日光街道では、老齢化する杉並木の保護等を目的に、バイパス整備が進められている。
同地の121号は県西部を縦断する栃木西部都市連絡幹線に指定されており、整備の優先度が高い。また、26年2月の大雪では数百本の倒木が発生し、2日間通行止めになるなど、幹線道路としての機能を果たさなかったばかりか、周辺住民にも支障を与えた。
県はこれまで、沿道の土地利用状況の調査や整備方針などの検討を行ってきた。現道東側は一級河川武子川や同板橋川の水源にもなっている、なだらかな丘陵地とともに、JR文挾駅東側では住宅地等のミニ開発が行われ、道路整備による沿道への商業店舗等の集積が期待されるとした。道路法線はJR日光線と2カ所で交差するほか、丘陵部を縦断する盛切り土が想定され、整備コストの上昇は否めないとしている。
現在ルートを想定している現道西側は、比較的平坦な水田地帯を縦断。湿地が連続し地盤改良の検討を含め、近年圃場整備を実施した地区もあり、区画形状との整合を図る法線の選択が必要になるほか、主要地方道宇都宮今市線交差後の南側は一級河川行川が流れ、急激な崖地となっており比高を考慮した工法の検討が必要とした。整備に当たっては南北をほぼ等分に、東武鉄道下小代駅にアクセスする日光市道、あるいは同市道南側の宇都宮今市線までを第1工区、南側を第2工区に工区割等を検討していく見通し。
26年9月議会の一般質問で当時の吉田隆県土整備部長は、日光杉並木の保全や現状の121号が狭あいで交通上の安全性に課題が多いと指摘。整備の必要性は高いとし、沿道の土地利用状況や整備時期などについて検討していると答弁した。
同事務所管内では、国道119号水無バイパス2.9kmの整備が進められており、33年度の開通を予定している。県では水無バイパスの整備完了に見通しが立ったため、文挾バイパスの整備の具体的な検討に着手するもの。