プロポで今年度事業者選定 9月に実施要領公表 東京学生寮を現地建替え(県育英会)
[2018/6/26 栃木版]
県育英会は、現在地での東京学生寮(東京都目黒区大橋2-20-10)の建替えを決め、公募型プロポーザル実施要領案を公表、今月29日まで質問や意見を受け付けている。育英会では学生寮の設計・建設・維持管理と運営までを一括して行う事業者を今年度末にも決定する見通しで、同案を修正した実施要領については9月中旬に公表する予定。厳しい財政状況を背景に建替えを先送りしてきた学生寮だが、建設費の負担については3億円を上限とし、運営管理についての負担は原則行わないとしている。
現在の東京学生寮は、女子寮がRC造陸屋根4階建て・延べ1488.44平方mで昭和32年9月の竣工。居室は2人部屋50室で定員が100人。男子寮はRC造陸屋根4階建て・延べ847.54平方mで、同36年9月の竣工。職員宿舎は同37年9月に建設した木造亜鉛メッキ鋼板葺き2階建て・延べ84.23平方m。
竣工から約55~60年が経過し、建物の老朽化と耐震化の対応が必須とされている。これまでは部分的な修繕等で対応してきたものの、維持管理も限界に近づいているとし、建替えによる抜本的な対策が急がれているとした。
同地はマンションや教育施設などが建ち並ぶ閑静な住宅街にあり、京王井の頭線駒場東大前駅、東急田園都市線池尻大橋駅にも近く、通学のアクセスにも恵まれている。公募型プロポーザルの採用は、同地の恵まれた立地条件(無償使用)を最大限活用、長期にわたり学生寮を運営するため、企画提案募集方式により事業者を選定するとした。敷地面積は2045.86平方m。公募は現在の学生寮を解体し、新学生寮の建設・運営を一体的に実施するとした。
同案では建設の事例として、▽事業者が敷地の一部に定期借地権の設定等を行い、民間施設と学生寮の設計・資金調達と建設を一体的に実施。学生寮の建設費には定期借地権設定等による前払い地代を充当▽全敷地に定期借地権設定等を行い、設計・資金調達・建設を一体的に実施。1棟の建築物を建設しその一部に本県学生寮の専用部分を確保、確保費用は定期借地権設定等による前払い地代を充当-を示し、これら以外についても提案を求めている。
運営の事例では、▽事業者が運営業務を委託契約による育英会から受託、大規模修繕・更新の積立費を除いた委託料を育英会から受領▽事業者が独立採算事業として在寮生の寮費等を直接収益とし運営事業を実施し、大規模修繕・更新等の積立金を育英会に支払う-などとした。
建設業務の期間は33年12月末まで、学生寮の入居を34年4月としている。設計・工事期間は31年4月~33年12月までの2年9カ月を設定した。運営業務期間は建設の完了後、約30年間を目安としている。
実施要領の公表後の質問は、9月20日~10月19日まで受け付ける。応募は単独企業、複数の企業グループとも受け付け、基礎的審査の第1次、プレゼンテーション・ヒアリングの2次審査を経て優先交渉権者等を選定する。