ちばぎん総研が最優秀 成田空港周辺 活性化で戦略(県空港地域振興課)
[2018/6/15 千葉版]
県総合企画部空港地域振興課は14日、成田空港周辺における地域活性化策を実現するための戦略の策定を委託するための企画競争(プロポーザル)について、7日に開いた審査会で、応募のあった4者の中から、ちばぎん総合研究所(千葉市美浜区)を最優秀提案者に選定した。今年3月にまとまった「地域づくりに関する基本プラン」を踏まえ、後の実施プラン(仮称)の策定に向けた調査、検討を実施するためのもので、委託料の上限額には1,597万円(税込み)を設定していた。
この業務は、基本プランに掲げた地域づくりの方向性や内容を基に、空港周辺の9市町や関係機関と十分に連携を図りながら、地域活性化策を実現する上で、課題の解決方策について調査・検討するのが狙い。周辺市町が希望する地域活性化策の課題を整理・精査し、効果的な課題の解決方策や、空港周辺地域の土地利用の構想、「地域の発展」と「空港の発展」が好循環する成長戦略を具体化させる。
基本プランでは▽産業振興▽インフラ整備▽生活環境──の3項目で基本方針が掲げられるなどしており、今回の業務もこれに合わせる。産業振興のうち▽企業誘致▽観光振興▽農業振興──の3つについては、プロポーザルの際に提案書の内容に盛り込むよう求めていた。
対象期間についてはまた、基本プランの計画期間である平成44年度(2032年度)を終期とし、地域に大きなインパクトがある▽すみやかに実施するもの▽圏央道(大栄~松尾横芝間)開通を見据えて実施するもの▽成田空港の第3滑走路供用開始後に実施するもの──の時期をそれぞれ区切りに設定する。
業務では、空港の周辺市町と県(空港地域振興課)に加え、必要に応じて県の関係部局や関係機関が同席する「成田空港周辺の地域づくりに関する実務者会議」を開催。協議結果の整理や可視化した資料の作成などに当たる。
また、地域活性化策に関する基礎的な調査と、市場動向などの調査を進めるとともに、課題解決方策の具体化に向け、策の立案を補助。31年1月から3月までの期間は、合意できた大筋に基づきながら、土地利用構想や成長戦略を取りまとめ、想定される特区制度の活用や規制改革、民間企業との連携なども含めた、さまざまな手法を具体化するために必要な各種の補助業務を経て、検討結果をまとめる。
基本プランでは、同空港の発着容量が現在の30万回から50万回に達すると見込まれる平成44年度から60年度を、目標時期に設定。国際交流拠点としての役割が増す空港を持つ立地優位性を最大限に生かし、幅広い分野での産業振興を図っていくとした。
インフラ整備のうち道路についてみると、空港にアクセスする整備中の広域的な幹線道路として圏央道大栄~横芝間と北千葉道路、銚子連絡道路について取り上げ、圏央道は用地取得が順調だった場合に平成36年度の開通が見込まれるとされていることから、県や関係市町が用地取得に積極的に協力していくとしたほか、他の路線についても整備を進めていくなどとした。