稲毛駅東口で実態調査 ロータリー拡張など支援(千葉市)
[2018/6/12 千葉版]
千葉市都市局市街地整備課は、JR稲毛駅東口地区の駅前広場を実態調査するため、来月3日に開札する希望型指名競争入札で、業務を委託する。入札参加の申請期間は15日まで受け付け。要件は市内に本支店などがあり、入札参加者名簿に「土木:都市計画及び地方計画」と「土木:交通量調査」で登録があること。過去5カ年で駅前広場の基本計画や基本設計を手掛けた実績なども求めている。
市では駅前広場整備をアシストするため、国土交通省の官民連携による地域活性化のための基盤整備推進支援事業として、30年度第1回の官民連携基盤整備推進調査費の配分を受けた。30年度は駅前ロータリーの拡張などに向けた調査などを進める。
JR稲毛駅の特に東口は、老朽化した建物が多く、個別の建て替えや共同化などによる建物の更新が喫緊の課題となっており、民間ビルの改修や再開発に向けての動きが加速。加えて、大手流通事業者が東口に近い日本たばこ産業(JT)の倉庫跡地であるさら地を取得するなど、民間投資の機運も高まっている。
30年度の業務では、民間事業者により検討される市街地再開発事業と連携するとともに、駅前周辺の大規模倉庫跡地開発の計画に配慮し、駅前周辺の公共交通や一般車両、歩行者などの利便性や安全性の向上を図るため、駅前広場の実態調査と、駅前広場や道路の整備計画を検討していく。
市では28年3月に改定した都市計画マスタープランの中で、JR稲毛駅周辺を「重要地域拠点」に、同月にはさらに首都圏広域地方計画「コンパクト+ネットワーク構築プロジェクト」業務核都市の高次都市機能の維持をそれぞれ位置付けた。
併せて29年5月には市街地の再開発に向け、地元地権者らで構成する「JR稲毛駅東口まちづくり協議会」が発足、事業化。民間事業者による住商複合施設の整備や倉庫跡地の取得などが見込まれるとした。
現状では宅地開発などといった周辺環境の変化により、現状ではバスやタクシー、一般車などが交錯。重要地域拠点としていくため、公共交通の利便性や生活利便性など拠点機能の強化が課題であることから、調査では歩行者・自動車の交通量や乗降数といった駅前広場の実態や、概略設計や施設規模の検討など駅前広場と道路の整備計画を検討する。
再整備による効果については、駅前広場の区域拡大に伴う交通混雑などの課題解消や、都市空間の回遊性向上によるにぎわいの創出、生活圏域のコンパクト化、まちなか居住促進への寄与が見込まるという。
JR稲毛駅は千葉駅、海浜幕張駅に次ぎ市内で3番目に1日平均乗車者数の多い駅。その東口駅前広場は、従前の土地区画整理事業で整備がされたものの、現状では公共交通や一般車両、歩行者の動線が交錯し、交通混雑や安全面が課題となっている。