CM業務15件委託 複数の復興工事を包括 マンパワー不足補完(宮城県土木部)
[2018/6/9 宮城版]
宮城県土木部は30年度に委託するコンストラクションマネジメント(CM)業務の発注予定を公表した。6月1日時点で15件の委託を予定している。同一地域で実施する河川・海岸や道路などの復興工事数件を包括し、県に代わって工事間の調整や工事進捗の管理を行っていく。15件とも第2四半期に一般競争入札によって委託者を選定する。
委託するCM業務の業務場所は、ほとんどが石巻市や気仙沼市などの東部沿岸地域となっている。
所管課別の件数は▽河川課5件▽道路課6件▽都市計画課2件▽仙台塩釜港湾事務所2件──となっている。1件当たり最少で3件、最多で19件の工事を包括している。
委託時期は、「仙台港区防潮堤ほか工事CM業務委託」(所管:仙台塩釜港湾事務所)が9月を予定。それ以外の14件は、7月中に委託する。概算業務規模はすべて1000万円以上を見込む。
15件のうち、包括している工事数が最も多いCM業務は「大沢川ほか河川災害復旧工事CM業務委託」(所管:河川課)と「飯子浜復興道路工事ほかCM業務委託」(所管:道路課)。それぞれ工事19件を担当する。履行期間は共に約30カ月を予定している。
大沢川ほか河川災害復旧工事CM業務委託では、石巻市北上町十三浜周辺で行われている大沢川や追波沢川、皿貝川などの堤防復旧、橋りょう架設などの工事19件を担当する。担当する工事には、WTO対象として発注された中島川ほか河川災害復旧工事も含んでいる。19工事すべて、履行期間が本年度末までの発注者支援業務が別途委託されている。
一方、飯子浜復興道路工事ほかCM業務委託では、牡鹿郡女川町飯子浜周辺で行われている飯子浜復興道路、高白道路、浦宿道路など19件の道路、橋りょう、海岸復旧工事を担当する。19件中8件は、履行期間が本年度末までの発注者支援業務が別途委託されている。
大型工事を包括しているCM業務を見ると、河川課が所管する「津谷川ほか災害復旧工事CM業務委託」では、担当する工事8件のうち、中島地区海岸災害復旧工事その2、津谷川ほか河川災害復旧工事その4、大谷地区海岸防潮堤ほか整備工事など4件のWTO対象工事が含まれている。
このほか、道路課が所管する「宮戸ほか復興道路工事CM業務委託」では、東松島市・野蒜海岸沿いを通る県道奥松島松島公園線を対象とする工事11件を担当する。このうち、洲崎復興道路や宮戸復興道路、松ケ島橋上部工などの工事8件は、これから発注される見込みだ。
土木部は復興事業の円滑で加速的な推進に向け、本年度はCM業務を積極的に委託して職員のマンパワー不足を補う方針を示している。5月には委託に関するガイドライン案や共通仕様書を公表している。CM業務では、これまで委託している発注者支援業務以上に、委託者には県職員と同等程度の権限を与えて県の役割を補完してもらう。本年度はすでに、加茂川河川改修工事CM業務委託などCM業務3件の一般競争入札を公告済み。6月14日に執行する。