30年度の地籍調査事業 新規に市貝が赤羽I 8年間の実績36.6%に止まる

[2018/6/9 栃木版]
 県内市町が実施する地籍調査の30年度事業概要が8日までに固まった。県農村振興課によると、事業を実施するのは、宇都宮市や佐野市、小山市、芳賀町など21市町で新規には市貝町が赤羽Iに着手、全体では66地区となった。全地区を合わせた事業量は、地籍調査本体24.07平方km(換算面積11.67平方km)で、事業費は4億7123万円。地籍調査は第6次国土調査事業が31年度までの10カ年計画で進められており、今年度は9年目。10年間の本県の総量は270平方kmで、29年度までの実績は98.86平方km、進ちょく率は36.6%に止まっている。

 今年度に地籍調査事業を実施する市町と地区数は、宇都宮市8地区(うち新規が4地区)、佐野市2地区(同1地区)、鹿沼市2地区(同1地区)、日光市1地区、小山市3地区(同1地区)、大田原市4地区(同2地区)、矢板市3地区(同1地区)、那須塩原市4地区(同2地区)、さくら市2地区(同1地区)、那須烏山市3地区(同1地区)、下野市1地区(同1地区)、上三川町6地区(同3地区)、益子町5地区(同3地区)、茂木町2地区(同1地区)、市貝町1地区(同1地区)、芳賀町4地区(同4地区)、野木町2地区(同1地区)、塩谷町2地区(同1地区)、高根沢町2地区(同1地区)、那須町4地区(同2地区)、那珂川町5地区(同2地区)-。

 新規に着手する市貝町は、調査対象の45.97平方kmのうち赤羽I地区0.60平方kmに435万円を配分。調査着手3年目の鹿沼市は、事業費に1101万円を配分し、DID地区の緑町・幸町IIとIII地区0.20平方kmの調査を進めていく。着手4年目の佐野市もDID地区を対象に植上IIIと植上IV・若宮上Iを実施。26年度に再開した益子町は、29年度補正を合わせ調査対象エリアを拡大し、今年度は新規に山本VII・VIII・IXの3地区に着手、全体では2.01平方kmとした。

 宇都宮市も今年度、29年度補正と合わせ事業費8061万円を投入し、新規4地区を含む8地区の調査を実施。パソコンに取り込みデータ処理などとして利用する数値化事業も継続して実施していく。道路整備に伴う駒生Vなど事業量の3.10平方kmは21市町で最も広い。

 数値化事業は宇都宮のほか、下野、那須烏山、芳賀、益子、那珂川の各市町が採用。磁気媒体上に定められた標準フォーマットにより、地籍図の筆界点座標値、図根点座標値、結線情報などを数値入力。地籍簿からは土地所有者、地番、地積、地目などの属性情報をコード化して入力し、電気計算機で地籍情報の維持管理、図形処理、統計処理ができるようになる。

 矢板市は継続の下太田Iの0.49平方kmと東泉Iの0.10平方km、新規にはDID地区の扇町Iの0.04平方kmに着手。継続地区は矢板北スマートICアクセス道路や県道矢板那須線泉工区に伴う市道109号線整備、新規地区はわかば通り整備を円滑に実施するため、公図混乱地区への地籍調査を行うもの。小山市は宅地0.50平方kmを対象に、開発等を計画する粟宮IIIに加え、新規に粟宮IV・V地区に着手する。那珂川町は林地を含めた2.45haとなった。

 地籍調査は、22年度に第6次調査が始動。24年度から芳賀町、25年度に茂木町、26年度には益子町が再開。27年度から佐野市と野木町、28年度からは鹿沼市、そして30年度には市貝町が着手しており21市町(未着手2市町、栃木市と壬生町が27年度休止)で調査が進められている。

 32年度からの第7次調査に向け今年度から国と都道府県・市町村等との協議・調整が始まる予定で、今年度は予備調査、31年度末には具体的な事業量が固まる見通し。

 事業を実施している市町の28年度末における進ちょく率では、さくら市の78.5%がトップ。次いで、那珂川町74.6%、那須烏山市73.8%、那須塩原市57.5%、高根沢町54.4%となり、これら5市町が50%を超えた。一方で、市町域が広く調査対象面積では日光市や小山市、佐野市、那須町、茂木町のほか、3年目の鹿沼市が1桁台に止まっている。

 各市町の30年度の調査地区と事業量、事業費などは次の通り。([1]調査地区数[2]調査地区名[3]本体調査量・カッコ内は換算面積事業量、平方km[4]事業費、▼は新規、単位・万円)

▽宇都宮市=[1]8[2]白沢I、芦沼、針ヶ谷I、針ヶ谷II、駒生V、針ヶ谷III、国本I、国本II[3]3.10(1.37)[4]8061
▽佐野市=[1]2[2]植上III、植上IV・若宮上I[3]0.33(0.14)[4]1228
▽鹿沼市=[1]2[2]緑町・幸町II、緑町・幸町III[3]0.33(0.10)[4]1188
▽日光市=[1]1[2]中三依III[3]0.07(0.02)[4]132
▽小山市=[1]3[2]粟宮III、粟宮IV、粟宮V[3]0.50(0.17)[4]1942
▽大田原市=[1]4[2]黒羽向町IV、下石上I、黒羽田町I・八塩I、下石上II・薄葉I[3]1.74(0.71)[4]2881
▽矢板市=[1]3[2]扇町I、下太田I、東泉I[3]0.63(0.16)[4]559.6
▽那須塩原市=[1]4[2]沼野田和III、下中野III、島方III、下中野IV[3]1.82(0.95)[4]2531
▽さくら市=[1]2[2]馬場III、馬場IV[3]0.35(0.17)[4]1208
▽那須烏山市=[1]3[2]大木須VII、野上III、大木須VIII[3]0.85(0.18)[4]775
▽下野市=[1]1[2]上古山1・下古山I[3]0.58(0.45)[4]1853
▽上三川町=[1]6[2]西汗IV、上神主II、坂上II、西汗V、上神主III・下神主I、坂上III[3]1.72(0.88)[4]3734
▽益子町=[1]5[2]山本V、山本VI、山本VII、山本VIII、山本IX[3]2.01(1.06)[4]4632
▽茂木町=[1]2[2]山内V、深沢III[3]1.52(0.88)[4]1504
▼市貝町=[1]1[2]赤羽I[3]0.60(0.14)[4]435
▽芳賀町=[1]4[2]西水沼2、西水沼3、西高橋1、西高橋2[3]2.16(1.38)[4]6393
▽野木町=[1]2[2]若林II、若林III[3]0.40(0.16)[4]1337
▽塩谷町=[1]2[2]船場I、船場II[3]0.60(0.23)[4]1162
▽高根沢町=[1]2[2]上柏崎II、飯室I[3]0.73(0.17)[4]579
▽那須町=[1]4[2]岡室、高久、丸山I、廻り谷[3]1.71(0.83)[4]2564.4
▽那珂川町=[1]5[2]盛泉I、大内VI、大内IV、大内V、谷川VII[3]2.45(1.52)[4]2424

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