6処理区整備に11.2億円 県30年度流域下水道事業 県央で制御電源設備更新 巴波川思川中継ポンプ場で老朽診断
[2018/6/7 栃木版]
県下水道室は30年度の流域下水道事業の概要をまとめ、4流域6処理区の整備に11億2699万円を配分した。事業は浄化センターの長寿命化対策として、鬼怒川上流上流処理区が土沢中継ポンプ場の耐震補強工事を実施するほか、県央浄化センターは制御電源設備更新工事を31年度の2カ年で進めていく。鬼怒川上流・巴波川・北那須・渡良瀬川下流思川処理区では、監視制御設備更新に向けた設計、耐震化対策を進めてきた巴波川の思川中継ポンプ場は老朽度診断を実施。下水道資源化工場では、焼却炉の長寿命化工事に着手する。
主な工事のうち浄化センターは、管理棟・汚泥棟の設備更新や制御電源設備更新など長寿命化対策が主体。県では現在、32年度からの公営企業会計制度への移行を見据え、長寿命化対策を効率的に行うため、各浄化センターの設備台帳のデータベース化を進め、全処理区の施設と下水道資源化工場を対象にストックマネジメント計画の策定を進めている。
また、27年11月の改正下水道法施行など環境変化を踏まえ、流域下水道事業の全体計画・事業計画の見直しを各処理区で進めてきた。
管渠や特殊マンホールは、耐震化対策のための診断を行い工事に着手するほか、長寿命化に向けた対策を継続で進め、今年度は鬼怒川上流、中央、巴波川、北那須、大岩藤で管渠長寿命化調査、中央と大岩藤では管更生設計や工事に着手していく。
具体的には、鬼怒川上流の上流処理区が事業費7400万円を配分。浄化センターは、汚泥処理と監視制御設備の更新設計、中継ポンプ場のうち土沢が建屋などの耐震補強工事を実施する。
中央処理区には4億6620万円。浄化センターは汚泥処理施設の更新設計、中継ポンプ場のうち南第1・同第2の更新設計を実施。工事では汚泥処理施設の機械と電気設備を継続で施工するほか、発注見通しでは無停電電源装置を更新する制御電源設備工事に15カ月、汚水ポンプ3台を更新する機械設備工事には16カ月、負荷設備・監視制御設備を更新する電気設備工事にも工期16カ月を見込み、制御設備が第2四半期、ほかの2工事は第3四半期にいずれも一般競争入札を適用する。管渠では下野市烏ヶ森地内で150mと80mの更生工事を第3四半期に予定した。
巴波川流域下水道には9000万円を配分した。浄化センターは、汚泥脱水・監視制御設備の更新設計を実施。管渠は更生設計を進めるほか、工事では栃木市城内町など9カ所で可とう管化による耐震化を第3四半期に発注する。
北那須流域下水道には5940万円。浄化センターは汚泥濃縮・監視制御更新設計を実施。管渠は長寿命化調査や老朽化したマンホール蓋の更新を進めていく。
渡良瀬川下流大岩藤処理区では、浄化センターの監視制御設備設計を実施するほか、管渠が更生設計と長寿命化調査、老朽マンホール蓋の更新を進めていく。事業費には5900万円を配分した。
思川処理区の事業費は2億4290万円。浄化センターの水処理施設の増設工事に着手するほか、ストックマネジメント計画の策定を行う。
下水道資源化工場は、ストックマネジメント計画策定や焼却炉長寿命化工事として1億3549万円を配分した。