八千代エンジニヤリングを選定 公共施設再編の基本計画(松戸市)

[2018/6/1 千葉版]
 松戸市公共施設再編課は5月31日、公共施設再編整備基本計画の策定支援業務を委託するための公募型プロポーザルで、八千代エンジニヤリング(千葉事務所・千葉市中央区)を優先交渉権者に選定した。審査には同社を含む2者が参加。市ではこの基本計画を基に、各施設の担当課の意見を取り入れながら、統廃合や改築なども含めた施設の方向性をまとめ、31年度以降の個別施設の整備計画の策定に生かす。

 業務では、これまでにまとめられた調査結果に加え「公共施設再編整備基本方針」などの内容も踏まえながら、公共施設カルテを整理した上で、固定資産台帳との整合を確認。さらに今後の進ちょく管理を見据えてより具体的なスケジュールをまとめるほか、先導的に取り組むべきモデル事業となり得るアクションプランを提案する。

 また、再編プランの事業化に向けたコストなどの比較・検討に加え、市民参画ワークショップの企画・運営なども実施する。

 市がこれまでに策定した公共施設の再編に向けたマネジメントの方向性や全体行程の素案をみると、PPP導入を前提に更新や機能集約を検討。矢切支所は近隣の総合福祉会館や二十世紀が丘消防署との複合化による建て替えにより集約化を図ることを、おおむね10年以内に検討、実施するなどとしている。

 支所をみると、10年後以降に目標耐用年数を見定めた上で、集約化や民間施設の活用などで再配置を目指す。また、大半の施設で建設後30年以上が経過するなどしている消防施設については、消防局庁舎は新拠点ゾーンとともに検討。これらに並行し、消防センター(消防団)や消防訓練センターは優先度を検討した上で、現施設の長寿命化または更新を図る。

 多くが図書館分館と併設されている市民センターのうち、小金原市民センターは、地域の需要動向を見据えて、地域拠点施設としてリノベーションを検討。小金原地域では地元住民によるワークショップが開かれるなどしており、モデル地区として検討が進められている。追って存続させる市民センターの更新を図る際は、学校やその体育館との複合化も検討する。

 文化会館は、現施設の長寿命化や更新を図っていくとした上で、市民劇場については追って耐用年数を目途に統廃合または用途転用を検討。市営住宅は、現在ある施設の長寿命化を図った上で、建て替えはしないとし、今後は目標耐用年数を目途に、都市再生機構(UR)や民間住宅を活用、統廃合を図るとした。

 市では27年7月に策定した「公共施設再編整備基本方針」の中で▽将来的な人口動向に配慮し、公共施設の利便性を高めつつ、地区を意識して配置され、公共施設の延床面積の5割以上を占める教育施設を有効活用することなどにより、総量の最適化を図る▽既存公共施設は、建物性能や施設機能等に着目した多面的な評価を行い、市における公共施設の適正量を見極めた上で、必要な再編整備を行う▽新規の建物は、既存施設の有効活用や民間施設の活用等の検討も行った上で、新たな政策課題や地区別の人口動向等から必要と認められる場合には整備を行う──ことを掲げている。

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