敷地内に集約・建替 31年度から基本設計へ(八千代市新庁舎)

[2018/5/31 千葉版]
 八千代市庁舎総合整備課は、新庁舎の整備方針について、耐震性能が不足している本庁舎旧館と新館は建て替え、分散している上下水道局庁舎と教育委員会庁舎の機能も同敷地内に集約する方針を固めた。これまで改修と新築を組み合わせた4案を示していたが、新築に旧館・新館の解体という「案3」と、全館の新築・解体という「案4」の2つに絞り込まれた格好だ。具体的な規模や方法は、策定の委託者をプロポーザルで選定中の基本計画の中でまとめる。

 今回、旧館と新館を建て替えという方針を決めた理由について市では、耐震性能の不足や設備の老朽化に加え、現施設の狭あい化などを挙げている。

 市では市庁舎について、防災拠点として業務継続性の確保の必要性があることのほか、既存庁舎の改修では狭あい化といった利便性の低下などの課題への抜本的な対策が困難であること、PFIなど「民間資金等を活用した事業手法」導入の可能性があることという3点を理由とし、旧館、新館とともに、同じく耐震性能が不足している上下水道局庁舎と、離れて位置しているため利便性に課題がある教育委員会庁舎の機能を現庁舎敷地に集約することにしたという。

 今後のスケジュールについて市では、30年度の基本計画の策定に続き、31年度は基本設計に着手。32、33年度の実施設計、34、35年度の建設工事と36年度の開庁を目指すとしている。

 庁舎の耐震化に当たってはこれまでに、本庁舎の旧館と新館を耐震改修するとともに、老朽化した設備の更新を含む大規模改修を実施するとした方針が示されていたが、28年4月に発生した熊本地震で、震度7の地震に複数回見舞われたことで耐震補強を施工済みの庁舎が被災、行政機能の維持に支障をきたしたことを契機に、あらためて耐震化について検討してきたという。

 29年度には建築や都市計画、PFI、法律の各分野の有識者5人を委員とする「庁舎整備手法等専門会議」を組織。その意見を基に「新築」と本庁舎旧館・新館の「改修」を組み合わせた整備計画案4案を立案するとともに、それぞれのメリット・デメリットなどを整理した。

 今年度の基本計画の策定に当たっては、庁舎の整備手法についても検討を進める。計画策定には有識者のほか、各種公的団体の代表や公募市民なども加えた市庁舎整備基本計画検討委員会も設置する予定で、委員から意見を聴くほか、庁内でも体制を整備した上で、必要機能などについて検討していくとしている。

 29年度に策定された庁舎整備手法等検討調査業務報告書では、旧館と新館を解体した跡地に新庁舎を建設し、既存の別館を上下水道局庁舎とするとともに、第二別館を書庫として活用する案3の場合、新築部分の規模には延べ約1万7700平方mを想定。また、全館を解体し、上下水道局や教育委員会を含む全ての機能を1つの建物に集約する案4では、延べ約1万8,500平方m(と上下水道局分1,500平方m)の規模が見込まれている。

 また、それぞれの概算事業費として案3は約99・9億円、案4では約104・5億円(上下水道局分8・6億円は含まず)が示されている。

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