[2018/5/29　栃木版]
　県河川課は、30年度国庫の床上浸水対策と安全な川づくり事業費補助に前年度当初比11.3％増の27億5000万円を投入、一級河川小藪川など32カ所の事業概要をまとめた。29年度補正で事業化された大田原市の一級河川鹿島川は、国道461号神明橋架替えに向け測量設計に着手。富士見橋から上流部1100mの改修を進めている鹿沼市の小藪川は本川の改修に加え、上都賀庁舎駐車場地下に880立方ｍの貯留施設を整備、第3四半期に一般競争入札で発注する。

　床上浸水対策事業の小藪川は、上流側760mの整備に6億円を配分し、用地補償を進め掘削工や護岸工を実施、上流側の調整池施工を進めていく。下流側の流域治水対策では護岸工の進ちょくを図るほか、上都賀庁舎の駐車場地下に豪雨時の河川水を引き入れる貯留施設を整備する。

　広域河川改修事業の一級河川思川は、小山市の乙女網戸で河道掘削や築堤を実施。宇都宮市の一級河川姿川では、主要地方道宇都宮今市線大谷橋を上流端に用地補償を継続、進ちょくに応じ護岸工に着手していく。

　鹿沼市の一級河川武子川は、JR日光線渡河部の法線変更を検討しており、協議が整えば設計施工をJRに委託する予定。一級河川大芦川は用地調査を進め、河道掘削や築堤を継続していく。那須烏山市の一級河川荒川は、護岸工50mと合わせ排水樋管の工事を第2四半期に一般競争入札で発注する。佐野市の一級河川秋山川は河道設計を継続する。

　改修に伴う橋梁整備のうち一級河川田川は、日光市土沢で市道橋の上耕地橋の設計に着手するほか、上中用水堰を改築する。一級河川武名瀬川は、4号上三川町道橋(町道3-048号線)の上部工に着工、橋長が17.3mで上部形式がプレテンション方式単純PC中空床版橋。

　施設機能向上の宇都宮市の釜川放水路は、耐震化を含めた地下水路1600mのコンクリートの修繕対策で、渇水期を見据え工事を発注する計画。

　流域治水対策では、芳賀町の一級河川五行川で芳賀遊水地の掘削工事。小山市押切地内の一級河川巴波川は、市道4017号堀ノ内橋の架替工事を継続する。橋長が76.5m、上部形式は鋼2径間連続鈑桁橋。また、巴波川支川の杣井木川は、調節池とポンプ増設による整備計画をまとめ設計を継続。今年度は除塵機を整備する。宇都宮市の江川放水路は、制御施設の更新を継続する。

　総合流域防災では、さくら市の一級河川五行川が、氏家南部第1堰を改築。両岸から取水する転倒のラバー堰で、上下部工の発注を予定した。大田原市の一級河川巻川が掘削工や農道橋の架替えに伴う下部工の施工。橋長が18.8m、上部形式はプレテンション方式PC床版橋。設計では市道橋の吉際橋を委託する計画。那須塩原市の一級河川熊川も市道島方横2号線の下部工に着手する。橋長が29.4m、上部工は31年度以降に着手する計画で、形式が単純鋼合成I桁橋。

　以下、箇所付け。(河川名＝事業内容)

《床上浸水対策特別緊急事業費・補助》

【床上浸水対策特別緊急事業】

▽小藪川(鹿沼市)＝橋梁架替、掘削護岸工、測量・設計、用地補償

《安全な川づくり事業費・補助》

【広域河川改修事業】

▽思川(小山市乙女・網戸)＝河道掘削、用地補償
▽姿川(宇都宮市城山)＝護岸工、用地補償、用地調査
▽武子川(鹿沼市)＝測量・設計
▽大芦川(鹿沼市)＝河道掘削、築堤、用地調査
▽荒川(那須烏山市向田)＝河道掘削、築堤、排水樋管
▽矢場川(足利市)＝用地補償、用地調査
▽田川(宇都宮市下反町)＝用地補償(堤防強化)
▽田川上流(宇都宮市石那田)＝河道掘削、護岸工、排水樋管
▽田川上流(日光市土沢)＝河道掘削、護岸工、堰改築、用地補償、橋梁設計
▽武名瀬川(上三川町)＝掘削護岸工、橋梁上部工、用地補償、用地測量
▽秋山川(佐野市)＝設計

【施設機能向上事業】

▽釜川放水路(宇都宮市)＝耐震対策工

【流域治水対策河川事業】

▽五行川・芳賀遊水地(芳賀町)＝地下水調査、遊水地掘削工
▽巴波川(小山市)＝橋梁架替、排水機場整備
▽小藪川(鹿沼市)＝河道掘削、護岸工、用地補償、地下水調査

【流域貯留浸透事業】

▽小藪川(鹿沼市)＝流域貯留施設整備(V880立方ｍ)

【特定構造物改築事業】

▽杣井木川排水機場(小山市)＝除塵機整備、年点検
▽江川放水路(宇都宮市)＝制御施設更新

【総合流域防災事業】

▽五行川(さくら市)＝堰改築
▽鹿島川(大田原市)＝測量・設計
▽熊川(那須塩原市)＝橋梁下部工、河道掘削、護岸工
▽巻川(大田原市)＝橋梁上部工、用地補償、橋梁設計
▽武茂川・大内川(那珂川町)＝用地補償、用地測量
▽巴波川上流(栃木市)＝用地補償、設計
▽永野川(栃木市)＝用地補償
▽粟谷川(足利市)＝用地補償
▽名草川(足利市)＝測量・設計、用地補償
▽菊沢川(佐野市)＝用地補償、用地調査
▽鬼怒川圏域(宇都宮市ほか)＝水位計設置、システム更新

【効果促進事業】

▽防災用資機材の整備(宇都宮市ほか)＝根固めブロック、土のう用土砂
▽浸水想定区域図作成(宇都宮市ほか)＝浸水想定区域図作成