知事奨励賞31年度から 県が優良建設工事表彰改正 今年度は90件表彰 所長等から10件、先進的取組
[2018/5/26 栃木版]
県は、県優良建設工事表彰制度を改正し、今年7月の表彰では知事表彰数を5件増やし40件、所長等表彰は15件増やして50件にするとともに、31年度からは10件を上限に知事奨励賞を新設して表彰対象数を100件まで増やす。知事奨励賞は施工現場の安全対策やICT技術の活用など、特筆される1項目について他の模範となる先進的な取組みで高評価を得られた工事を対象に所長等表彰から選定する。県監理課によると、奨励賞は知事表彰と同じ優遇措置を受けられるが、連続受賞等を防止するため前年度に知事あるいは奨励賞を受けた業者は対象から除くとしている。
現在の表彰制度が導入されたのは平成15年度。年を経過するにつれ全体的な施工レベルは上がっているものの、現行制度では表彰業者が実績のある者に固定される傾向が強くなってきたため、業者全体のモチベーション上げるため制度を見直したもの。
現在の表彰数は、知事表彰35件、次点の所長等表彰が35件の計70件。品質と出来栄え、施工の困難性から採点を行い、施工基準の高い工事を選定している。改正は知事を40件、奨励賞を10件以内とし所長等表彰数60件と合わせ100件とする。奨励賞は、所長等表彰と同等の施工技術に加え、先進的な取組に特化し抽出するとした。
奨励賞の具体的な取組では、[1]安全対策の取組(難易度が高い、特殊な工事、交通の確保が困難など他工事に比べ、安全対策に特別な取組を評価)[2]対外関係(地元・関連工事・関係官公庁との調整などに特別な対応を評価)[3]創意工夫の取組(ICT技術の活用や週休2日の実現、施工・新技術・品質・安全衛生など、創意工夫を評価)[4]施工条件への対応(構造物の特殊性や都市部などの作業環境、厳しい自然・地盤条件などといった特別な対応を評価)[5]地域等への貢献(周辺環境への配慮や地域支援、災害などにおける救護活動への協力、地域コミュニケーションの緊密化などを評価)[6]その他(若手・女性登用、[1]~[5]以外に特に評価できるもの)-6項目のうち1項目(関連項目を含む)について、先進的取組の実績を推薦先の土木事務所等が評価する。
採点基準は10点を上限に、他の模範(9~10点)、非常に良い(7~8点)、良い(5~6点)、やや良い(3~4点)、普通(1~2点)-と区分した。
知事表彰業者は、入札参加資格の技術点に25点を加点。加えて、表彰実績5年以内を対象に総合評価落札方式において価格以外の評価点の対象となるほか、指名競争入札においても優先的に指名される優遇措置がある。奨励賞も知事表彰と同等の優遇措置を与えるとした。