小山市粟宮新都心第一区画整理 7月に業務代行者選定 今年度末に組合設立へ

[2018/5/23 栃木版]
 小山市は、粟宮新都心第一土地区画整理事業について、7月にも業務代行予定者を決定し、今年度末を目途に事業認可申請に必要な組合設立を目指す。対象区域は西側をJR宇都宮線、東側は小山野木幹線用水路に挟まれた約20haの市街化区域で、認可後は地区計画等を導入し良好な住宅形成を目指す。市区画整理課によると、27年度に組合設立準備会が発足、今年度は組合設立に向け支援業務を委託し、▽権利調査▽事業認可申請書作成▽準備会等運営補助▽概略換地設計▽業務代行予定者選定支援▽都市計画変更手続き-などを実施していく。

 土地区画整理事業に当たって業務代行者が主導して事業を実施していく手法は、これまでに組合施行により市が思川西部土地区画整理事業に導入した実績がある。業務代行予定者は組合設立後に業務代行者となり、道路・街路・公園・調整池等の工事を含めた各種業務を行うとしている。

 粟宮新都心第一土地区画整理事業の対象区域は、粟宮地内(字東道上、字中渋辺、市中留、字南田の一部)と千駄塚地内(字谷合、字上橋戸の一部)に跨る約20ha。JR小山駅から南西に約4.5km、JR間々田駅から北東に約3.0kmに位置している。

 地区内の東部には、都市計画道路3・4・7小山野木線が通っており、地区外となるものの、北側には主要地方道小山環状線の整備が進められている。同地区の土地利用は大部分が農地だが、用途は第一種住居地域となっている。

 今年度行う権利調査では、[1]土地登記事項証明書綴の作成[2]区域図の補正[3]権利変動調書の作成[4]土地各筆調書の補正[5]名寄簿の補正[6]所有者以外の権利簿の作成[7]土地所有者現住所名簿の補正[8]土地所在図の補正[9]総括表の補正[10]相続人調査[11]不突合処置方針の決定-など。権利者は約100人。

 事業認可申請書は、認可申請に必要な図面・調書を作成するため、過年度における事業計画書の成果を踏まえ、地権者の合意形成による同意書収集と関係機関との事前協議を行うもの。具体的には、[1]公共用地編入承認申請書[2]区域公告申請書[3]事前協議書[4]同意書の作成・発送・集計[5]認可申請書-などを作成するとした。

 準備会等運営補助は、関係機関との協議調整や地権者説明会、準備会などの運営を支援。概略換地設計では、権利者の意向調査確認を行い、保留地予定地を参考に路線価を検討するとともに、施行前後の宅地について街区評価を行い、想定する暫定の換地割込み案を作成するとした。

 業務代行予定者選定支援では、協議調整を踏まえ覚書締結支援を行うもの。都市計画変更手続きは、用途地域変更案や地区整備計画案の検討を行い、位置図・土地利用計画図・新旧対照図・地区整備計画図などを作成するとした。計画人口は、約980人(人口密度49人/ha)を目標とした。

 準備会の事業計画によると、施行期間は31年3月予定の組合設立認可の公告日から、38年3月まで。土地利用計画は、地区西部を住宅地、小山野木線沿線の地区東部は沿道条件を生かした商業系の土地利用とするほか、同沿線の有効性を生かした用途を検討する。

 公共施設計画のうち、幹線道路を小山野木線に設定。幹線道路に接続する補助幹線道路は、主要な区画道路について幅員10.0mで計画。このほか区画道路は、土地利用計画に合わせ幅員6.0~8.0mで計画、幅員4.0mも適宜、配置するとした。特殊道路・街路は、歩行者導線を確保し、ゆとりある歩行者空間を確保するため、幅員6.0mで計画する。

 街区公園は、地区西部の住宅地内に2カ所配置。雨水排水については、地区南西側に調整池を整備し、普通河川宮戸川へ放流する。

 上水道は、市の水道事業により整備。小山野木線の水道本管から各戸へ配水管を布設するとともに、消火栓も計画的に設置する。下水道も市事業で整備する。ガスはプロパンガスを基本とするものの、事業進ちょくに合わせて北日本ガスと調整を図り、都市ガスの整備方針を検討するとした。

 事業費には36億8700万円を試算。このうち道路等の公共施設整備費21億2100万円、調査設計費(埋蔵文化財調査費も含む)が6億9000万円としている。

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