鹿沼市新庁舎市民会議 庁舎全館建て替えへ 事業費59.3億、32年1月着工
[2018/5/22 栃木版]
鹿沼市はこのほど、市民文化センターで第4回市新庁舎市民整備市民会議(委員長・三橋伸夫宇都宮大学名誉教授)を開催。今回の会議では、新庁舎の整備手法について協議。既存施設(新館)利用案と全館建替案を比較検討した結果、全館建替案を選択することとした。行政棟についてはS造、議会棟については木造を構想。耐震構造については、今後、基本設計を進める中で決めるとしている。工事は、32年1月から着工を計画。全館建替案において概算事業費は、59億3000万円としている。
市は、施設の耐震性不足や老朽化等で課題のある現在の市庁舎(本館、新館、東館)について、改築を構想し、27年度に市新庁舎整備基本計画を策定。新庁舎整備事業を延期していたが、29年度から新庁舎整備に向けた市民検討会議を開始している。現在のところ、佐藤総合計画(東京都墨田区)が基本設計の業務を進めている。
市が4月に示した整備基本設計方針案では、仮庁舎無しで全館建て替えを実施。耐震構造を導入し、行政棟はS造、議会棟は鹿沼産材を活用した木造とすることとしていた。
会議では整備手法について、全館建替案と、既存施設の新館を継続して利用する案を比較して検討。検討の結果、全館建替案を採用することとした。耐震構造の採用については、地盤調査の結果を踏まえて決定するという。今後、基本設計を進め、最適な構造を決めるとしている。行政棟がS造、議会棟が木造とすることは、現時点の案であるとした。
全館建替案のスケジュールについて、32年1月から1期工事(行政棟1期、議会棟)に着手。33年10月から2期工事(行政棟2期)に着手。新館解体工事は33年5月~9月、本館解体工事は33年5月~9月、外構工事は33年9月~12月、東館解体工事および駐車場整備工事は35年1月~3月を予定している。全館建替案では、2期工事終了まで東館を継続利用するとしている。
1期工事について、耐震構造の場合は工期15カ月(32年1月~33年3月)、免震構造の場合は工期17カ月(32年1月~33年5月)と想定。2期工事について、耐震構造の場合は工期14カ月(33年9月~34年11月)、免震構造の場合は工期16カ月(33年9月~35年1月)と想定している。
全館建替案の事業費は、59億3000万円と試算。このうち、新館解体工事が1億1000万円、行政棟・議会棟新築工事が50億3000万円、本館および東館解体・外構工事が4億3000万円、諸経費(各種調査、設計監理、備品購入、引越費用など)が3億6000万円となっている。全館建替案では、行政棟および議会棟の規模は、1万平方m程度とするとしている。