伊里前の約2ha開発 事業用地や広場を整備(南三陸町)
[2018/5/19 宮城版]
本吉郡南三陸町は、歌津字伊里前地区の国道45号と防潮堤、伊里前川に挟まれた南側エリアを開発し、事業用地や広場、駐車場を整備する計画だ。対象面積は約2ha。17日付で開発に向けた設計業務の一般競争入札を公告しており、23日まで参加申請を受け付け、6月8日に開札する。事業用地への進出事業者は、今後に公募する。
同地区の開発区域は、既存の商店街「南三陸ハマーレ歌津」から国道45号を挟んだ南側一帯。以前の商店街があった場所で、津波被害を受けたため、町が大部分の土地を防災集団移転促進事業で買い上げた。
ここには国道45号が通っていたが、商店街の移転再建などに伴い、現在は国土交通省仙台河川国道事務所で45号の付け替え工事が進められている。45号は付け替えに伴い、7mほどかさ上げして整備する。このため、開発区域も盛土して45号と同じ高さにする。
現地では、45号のう回路が開発区域の真ん中に設けられている。それより西側ではすでに土地の盛土工事が進められている。東側の盛土工事は、町が今後に発注する。
盛土造成が終わった後は、約5000~6000平方mに区画道路や排水路などを整備し、事業用地を生み出す。残りの用地には広場や駐車場などを確保する考え。事業用地は5~6区画程度に区切り、店舗や工場などの誘致を想定している。
17日付で公告したのは、「伊里前地区南側整備事業設計業務委託」で、道路や整地、排水、駐車場の設計をまとめるほか、数量計算書や工事仕様書、開発行為申請資料の作成などを進める。履行期間は12月20日まで。この業務で実際に整備する区画数や、具体的な土地利用計画を定める。
入札の参加資格は、県内に事業所を置く者で、24年度以降に単体またはJVによって、県内の東日本大震災被災地の同一地区において▽盛土造成の実施設計▽開発許可申請資料の作成▽道路法関係──業務を請け負った実績があることなど。
開発区域の整地・道路工の着手時期や、進出事業者の募集時期は、45号の工事進捗などを踏まえて決める。