[2018/5/15　栃木版]
　国土交通省宇都宮国道事務所は、30年度の事業概要を公表した。事業費は50億3500万円で、改築、交通安全、電線共同溝-3事業を推進する。事業着手4年目の矢板拡幅は道路・構造物設計を推進するほか、西那須野道路は三区町などで用地買収や工事を実施。那須町の4号は線形改良を行うため設計や用地買収を進め工事に着手していく。電線共同溝は50号足利市問屋町～上渋垂町1.3kmをはじめ、下野市庁舎前の小金井～笹原間2.4kmなど4号の5カ所と合わせ事業費7億8800万円を配分した。日光市川治地区の121号バイパスは、直轄権限代行事業導入に向けた調査を行う。

　改築事業は、西那須野道路など5カ所に29億8000万円。このうち新4号国道(L62km)は、古河小山バイパスを含め県内6車線整備が完了し、春日部古河バイパスに前年度並の12億2500万円を配分した。

　同事務所所管の春日部古河バイパス11.2kmは、圏央道五霞ICが供用し、順次6車線化に着手。30年度は幸主地区の改良工事を発注するほか、五霞跨道橋の上部工事を継続で進めていく。

　同じ茨城県区間では50号結城バイパス(L7.7km)が一級河川鬼怒川を渡河する新川島橋の耐震補強工事を継続する。橋脚の巻き立てなど耐震補強工事に合わせ右岸側橋梁上部工事を発注するもの。同橋梁を含む延長2.8km区間は、一級河川田川が西側で近接する高架橋区間で、平成11年3月までに暫定2車線で開通した。

　県内の改築事業で重点配分されたのは、西那須野道路の9億7400万円。道路設計や用地買収を進め、三区町での改良工事、西富山地区では電線類共同溝工事に着手していく。西那須野道路は、那須塩原市三区町～西富山に至る延長4.6kmのバイパスと現道拡幅事業。全体事業費には165億円を試算している。

　交通安全事業では、4号が粟宮歩道整備(小山市)、雀宮駅前歩道整備(宇都宮市)、雀宮駅北歩道整備(同)、上横田1・2工区歩道整備(同)、那須町以北線形改良(那須町)、新4号と4号が交差する平出工業団地交差点(宇都宮市)、大原間南横断歩道橋(那須塩原市)の7カ所で用地買収や工事を推進していく。新規では、新4号の平出地区交差点(宇都宮市)と磯岡地区交差点(上三川町)の改良に着手するほか、4号宝積寺歩道(高根沢町)の改良に向けた検討を行う。

　那須町以北の線形改良は、同町高久甲地内の弓落交差点から福島県境までの14.2km区間が対象。同区間では、曲線半径が120m未満のカーブや狭あい箇所、歩道未設置箇所など、道路構造令を満たしていない箇所を対象に、線形改良や歩道設置、車道拡幅などを行い、線形不良による追突や出合い頭事故などの削減を図り、歩行者等の安全の向上を目指すもの。これまでの調査設計から主要地方道大子那須線の交差点付近など、線形不良4カ所に加え、福島県境付近の歩道未設置箇所などの整備検討や調査設計を進めてきた。これら交通安全対策の予算配分額は12億6700万円。

　電線共同溝整備は、市街地の防災機能の向上と美しい街並みの形成が目的。30年度実施する6カ所では、調査設計や支障物移設補償、本体工事などを予定した。整備延長は、4号が古河市大堤(L1.0km)、小山市喜沢(L3.0km)、下野市小金井～笹原(L2.4km)、同下古山～宇都宮市茂原(L4.2km)、同西原町～簗瀬町(L0.6km)の5カ所に加え、50号では足利市問屋町～上渋垂町(L1.3km)。

　4号矢板拡幅は、矢板市片岡地内の東北自動車道矢板IC～同針生地内の延長6.5kmについて、現道を拡幅し4車線を確保する事業。全体事業費には200億円を試算した。30年度は8000万円を予算化し、道路設計等を実施する。

　矢板拡幅から北進する4号矢板大田原バイパスは、28年度までに都市計画の準備を行う調査として、詳細ルートや構造の検討を実施。29～30年度はこれまでの成果を基に、沿線住民へルートを示し新規事業化を前提とした都市計画の決定に向け調査等を継続していく予定。

　121号川治地区のバイパスは、約8km区間にトンネル2基(延べ4km)と一級河川鬼怒川を渡河する橋梁(L300m)を整備する計画。特に、川治温泉北側に計画するトンネルは、野岩鉄道や導水トンネル、県道川俣温泉川治線とのトンネルが地下で近接・交差する施工難度の高い工事になる見通しで、直轄による権限代行実施の検討を行うため調査するとしている。

　道路の維持管理では、道路巡回・清掃・除草・樹木の剪定・除雪などといった日常管理のほか、老朽化対策として道路施設や橋梁等の補修工事を実施する。補修工事は定期的な点検を踏まえた対応で、30年度は4号とちの実橋(宇都宮市)と50号小山高架橋を施工、50号足利陸橋と4号砂田高架橋(宇都宮市)などは点検を予定した。