30年度は全線で高架橋工事 東武野田線の連続立体化
[2018/5/12 千葉版]
野田市都市整備課は、平成19年度に事業認可を受けて以降進められている、東武野田線の同市内における連続立体交差事業の進ちょく状況を明らかにした。30年度は、これまで進めていた仮線工事が29年度までに完了し、愛宕駅周辺など全線の切り替えを今年3月に済ませたことなどを受け、全区間で高架橋工事を進める。高架橋工事は一部を除いて32年度中に完了させ、供用を図る計画で、これに併せて駅周辺の区画整理事業なども進める。
同市内の東武野田線連続立体交差事業は、梅郷駅~清水公園駅間の2,905mの区間で鉄道を運行させながら、既存の線路に沿わせて仮の線路(仮線)を布設し、高架橋を築造する方法で進めている。
仮線の用地は事業認可以降、確保作業を進めて26年度までに完了。並行して24年度からは仮線の工事を進め、今年3月には全線が仮線に切り替わった。
30年度は基礎杭工事などを中心に、一部では橋脚や上部工を進めるとともに、区間内の野田市駅、愛宕駅では、旧線路や旧駅舎、ホームの撤去工事も並行させる。仮線の撤去や付帯工事など、全ての工事が完了するのは35年度になる見通しだ。
愛宕駅周辺で進められている東西駅前広場の整備についてみると、愛宕駅西口駅前広場整備事業として、西口では駅前広場の一部となる遊技場施設跡地を29年度までに取得、立体交差化の進ちょくに合わせた整備を進める。具体的には30年度、引き続き西口駅前広場用地の取得を進めるための用地補償と、清水公園駅側から東口暫定駅前広場への歩行者の動線を確保するため、改修した排水路(大どぶ)の上部に歩行者専用道路を整備する。
同駅前広場の整備事業は施行面積が約3,100平方mで、27年度から施行。事業費に約12億7,000万円を見込み、今年3月までの事業進ちょく率は約11・1%となっている。
一方、現在駅前広場のない野田市駅は、野田市駅西土地区画整理事業の一環として暫定駅前広場の整備を目指す。同事業では併せて下水道などライフラインの整備に向け、最下流部の地区北側から進めるとともに、道路の整備も実施する。
29年度は物件補償や用途地域などの変更、地区計画決定などを実施。30年度は排水の最下流部の地区北側で物件調査や補償を進めるほか、早期の駅前広場が要望されていることを受け、将来の駅前広場の一部を利用し、暫定駅前広場の整備を進めるとともに、地区の北側から都市計画道路野田市駅愛宕線を整備。このほか旧野田高校の南側で上下水道などライフラインの敷設工事や歩道整備工事を進める考えでいる。
野田市駅西土地区画整理事業は33年度までを施行期間とし、施行面積は約6ha、事業費に約50億円を見込んでいる。