新規7カ所が測量設計 4カ所で堰堤施工へ 急傾斜は鮎田など3カ所(県砂防水資源課)
[2018/5/10 栃木版]
県砂防水資源課は、30年度における砂防事業の新規箇所をまとめ、通常砂防が小岩花沢(鹿沼市引田)など4カ所、急傾斜地崩壊対策事業は鮎田(茂木町鮎田)など3カ所に着手する。通常砂防事業は砂防堰堤の整備で、小岩花沢が2基、下西の入沢(大田原市南方)など3カ所が1基の施工を計画したほか、自由ヶ丘沢(日光市鬼怒川温泉大原)では渓流保全工を施工する見通し。急傾斜地崩壊対策では、旭表(那須烏山市旭)が法枠工、横山町IIA(宇都宮市横山町)は待受け擁壁工、鮎田では法枠と待受け擁壁を施工する計画。今年度は砂防・急傾斜地の指定を前提に、測量調査や施設の詳細設計、横山町IIAは用地測量に着手する。
新規箇所のうち通常砂防の4カ所と急傾斜地の旭表I-Aが29年度2月補正、急傾斜地の横山町IIAと鮎田は30年度当初で予算付された。
これらの採択箇所はいずれも、下流域の特別警戒区域(レッドゾーン)や警戒区域(イエローゾーン)に人家が立地しているほか、避難場所に指定された健康増進センターや集会所などの緊急避難施設、避難道路の県・市町道が通っているなど整備の優先度が高いと判断。事業に着手することとなった。
通常砂防のうち小岩花沢は、鹿沼市の一級河川大芦川に合流する渓岸浸食の激しい渓流。下流域には一般県道板荷引田線504mと市道746mに加え、人家8戸が立地しており、これらの施設を保全する。計画では砂防堰堤2基を施工し安全強化を図っていく。事業期間は33年度までの4年間、総事業費には2億3500万円を試算した。
鬼怒川温泉地内の自由ヶ丘沢は、一級河川鬼怒川に合流する支渓で、砂防堰堤1基と渓流保全工110mを計画。下流域の市道420mのほか、人家57戸を保全する。事業期間は33年度までの4年間、総事業費が2億2000万円を試算した。
大田原市南方の下西の入沢は一級河川武茂川に合流する支渓で、砂防堰堤1基の施工を計画した。下流域の保全対象は、避難場所となっている川上健康増進センターと一般県道南方須佐木線150mに加えて人家が4戸。事業期間は33年度までの4年間、総事業費には2億5000万円を試算している。
足利市大月町の和田耕地沢は、一級河川長途路川に流れ込む支渓で、砂防堰堤1基を施工する計画。下流域には、避難場所の和田集会所や市道1255mとともに人家65戸を保全する。事業期間は33年度までの4年間、総事業費が1億2500万円を試算した。
急傾斜地崩壊対策事業のうち旭表I-Aは、市道190mと人家23戸を保全するもの。工種には法枠工6000平方mを計画、事業期間は34年度までの5年間で、総事業費には2億円を試算した。
横山町IIAは、人家10戸を保全するため待受け擁壁工242mを計画。事業期間は33年度までの4年間、総事業費には1億8000万円を試算している。
鮎田は、人家12戸が保全対象。対策では、待受け擁壁工200mと法枠工1000平方mを計画しており、事業期間が34年度までの5年間、総事業費には2億5000万円を試算している。
新規箇所付けは次の通り。([1]事業概要[2]全体事業費[3]事業期間[4]30年度の事業費[5]30年度の実施内容、単位・万円)
【通常砂防事業】
▼小岩花沢(鹿沼市引田)=[1]砂防堰堤2基[2]2億3500[3]29~33年度[4]2500[5]測量調査、設計
▼自由ヶ丘沢(日光市鬼怒川温泉大原)=[1]砂防堰堤1基、渓流保全工110m[2]2億2000[3]29~33年度[4]2500[5]測量調査、設計
▼下西の入沢(大田原市南方)=[1]砂防堰堤1基[2]2億5000[3]29~33年度[4]2000[5]測量調査、設計
▼和田耕地沢(足利市大月町)=[1]砂防堰堤1基[2]1億2500[3]29~33年度[4]2500[5]測量調査、設計
【急傾斜地崩壊対策事業】
▼旭表I-A(那須烏山市旭)=[1]法枠工A6000平方m[2]2億[3]29~34年度[4]3000[5]測量調査、設計
▼横山町IIA(宇都宮市横山町)=[1]待受け擁壁工L242m[2]1億8000[3]30~33年度[4]1000[5]用地測量
▼鮎田(茂木町鮎田)=[1]待受け擁壁工L200m、法枠工A1000平方m[2]2億5000[3]30~34年度[4]2000[5]測量調査、設計