大倉ダム湖畔でほ場整備 基本計画作成を委託 19ha大区画化(宮城県仙台振興)
[2018/5/9 宮城版]
宮城県は大倉ダム(仙台市青葉区大倉)の北側に広がるほ場の大区画化に向けて、本年度は基本計画を策定する。既存のほ場19haを対象に、1区画当たり2ha程度に区画を仕切り直す考え。基本計画の策定に関し、県の仙台地方振興事務所は基本設計を含めた業務を委託する。同事務所は5月7日付で「日向地区基本計画作成業務」の一般競争入札を公告した。24日に開札する。
宮城県は競争力を高める農業者育成の施策として、ほ場の区画整理事業を展開している。小区画化された既存農地をいったん更地にし、区画を仕切り直して1区画当たりの面積を広げている。これにより、大型の農業機械が導入しやすくなり、効率的で生産力が高い稲作が実現する。
今回、大区画化の対象とするのは、大倉ダムの北側に位置する日向(ひなた)地区の水田。県道55号定義仙台線沿いに、19haのほ場が広がっている。計画では個人農家が保有する農地を仕切り直し、16.6haのほ場を確保する。残りの2.4haには用排水路や畦畔など農業用施設を整備する。1区画当たりの広さは2haか1haを見込む。区画整理後はほ場を個人農家に返還し、先進的な大規模営農を支援していく。
区画整理に関し、仙台地方振興事務所は基本計画作成業務の委託者を一般競争入札によって選定する。21日まで入札参加申請書などの書類を受け付けている。入札の参加対象は、県の入札資格で建設コンサルタント(農業土木)AかB等級と、測量(公共測量)AかB等級の両方に登録している県内本社企業。予定価格は719万7000円。
基本計画作成業務では16.6haを対象にした田面標準測量を行った上で、19haを区画整理するための基本設計をまとめる。用排水路は開水路を前提として検討する。履行期間は11月30日まで。
県は11月末までに業務成果を受領した後、成果物に基づいて本年度中に日向地区の基本計画を策定する方針。その後、31年度はさらに設計の精度を高めるため、実施設計業務を委託する。設計の取りまとめが順調に進めば、32年度に区画整理工事を発注する見通し。降雪が予想されるため、工期は2カ年程度かかると見られる。区画整理後、確定測量を経て営農が再開されるのは34年春ごろになる見込み。
営農再開後、県は農閑期を利用して、引き続き暗渠排水の設置など残工事を実施する考えを示している。