小山市が渡良瀬遊水地観光化計画 新アクセス道路を検討 民泊推進へ計画を策定 体験交流施設整備も

[2018/5/3 栃木版]
 小山市はこのたび、渡良瀬遊水地観光地化推進5カ年計画-エコ・アグリツーリズムの推進-を策定した。計画期間は、30~34年度の5年間。同計画では、新アクセス道路の整備検討、案内看板の設置、フラワーロード整備、エコミュージアムの整備、小口一郎記念館の整備、拠点施設の整備、民泊推進5カ年計画の策定、渡良瀬遊水地体験交流施設の整備などが盛り込まれている。

 渡良瀬遊水地観光地化推進5カ年計画は、おもてなし環境の向上による観光客の受入促進についてターゲットを絞りながら、取り組み、受入環境、具体的なアクション等に整理した計画となっている。

 計画の推進方策について、ネットワークの形成では、▽アクセスルートおよび周辺道路整備▽サイクリングロード・フットパスの整備・活用▽駐輪場・駐車場の確保▽フラワーロード整備▽サイン整備(ルート案内板デザイン統一等)-などを挙げている。

 アクセスルートおよび周辺道路整備では、渡良瀬遊水地新アクセス道路整備調査事業を実施。同事業では、一般県道萩島白鳥線と一般県道南小林松原線との交差点から遊水地に連絡する道路を整備するための調査を行うという。市道の拡幅や与良川の旧堤を利用し、遊水地の周囲堤にある生井桜づつみ周辺に連絡する道路を整備するとした。31年度に調査、32年度に設計、33年度に用地測量、34年度に用地買収を行うとしている。

 サイクリングロード・フットパスの整備・活用では、県へ思川のサイクリングロードの未舗装箇所の整備を要望するほか、遊水地に向かう道路に分かりやすい案内看板を設置。30年度に市道の工事、31~34年度に案内看板の設置を行うとした。

 駐輪場・駐車場の確保では、国が堤防拡幅することで駐車スペースが増えることから、国へ堤防拡幅を要望。このほか、公園内へサイクルラックを設置するとした。30~31年度に、サイクルラック設置に向けた調査を行うという。

 フラワーロード整備では、市道4504号線および4505号線の路肩等へアジサイやヒガンバナを植栽。28~31年度に、延長6820mの区間で延長6030mの植栽整備を実施。31年度に計画変更し、32年度以降は変更した計画を基に、植栽整備を行うとしている。

 サイン整備では、渡良瀬遊水地ルート案内板設置事業を実施。同事業は、渡良瀬遊水地第2調節池へ自動車・自転車観光客を誘導するルート案内看板や、第2調節池の来訪者へ遊水地内や周辺施設を案内する看板を設置するもの。30~34年度にかけて、案内看板の設置を行うとしている。

 観光拠点の形成では、▽エコミュージアムの整備▽旧思川水辺公園の活用-を挙げている。

 エコミュージアムの整備については、園路等を整備し、旧思川等周辺施設の環境改善、整備・活用も含め、自然観察や自然体験の場を提供する施設を整備するもの。29年度は、調査設計や堤防植栽を実施している。30年度は、園路整備や堤防植栽を実施。31年度は、園路整備、トイレ設置、桟橋整備を実施。32~34年度に、施設整備や施設案内看板設置を行うとしている。

 旧思川水辺公園の活用については、生井地区の6haの水辺空間を活用して整備するもの。30~31年度は、園路整備や藤棚整備を実施。32~34年度は、園路や植栽の整備、水質の改善、船着場の整備を行うとしている。

 学習環境の充実では、市出身の版画家である小口一郎記念館の整備などを挙げている。同施設については、遊水地の歴史に関する理解を深め、作品等を展示する環境を整備するもの。30~34年度は、整備地の選定や整備内容の検討を行うとしている。

 食・泊場所の充実では、拠点施設の整備や多様な宿泊環境の充実などを挙げている。拠点施設については、「おやまブランド」や郷土料理を提供する拠点として、未利用地や閉校した小学校跡地の活用を視野に入れた、体験交流施設を構想。30~34年度は、整備地の選定や整備内容の検討を行うとしている。

 多様な宿泊環境の充実については、6月施行予定の民泊新法を踏まえ、空き家等を活用した民泊推進5カ年計画を策定するという。30年度に調査や計画の策定を行い、31年度以降から計画を推進するとしている。

 交流・イベントの充実では、渡良瀬遊水地体験交流施設整備事業などを挙げている。同施設については、未利用地や小学校の閉校跡地を視野に入れ、30~34年度にかけて整備検討を進めるとした。このほか、空き家等を活用した小規模の拠点施設の整備を進めるという。

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