26団地・4500戸を「改善」 市営住宅 長寿命化へ計画(千葉市)
[2018/5/2 千葉版]
千葉市都市局住宅整備課は、23年度に策定した「市営住宅長寿命化・再整備計画」を見直し、案としてまとめた。31日までの期間、パブリックコメント手続きにより意見を受け付けている。計画期間は39年度までの10カ年で、期間満了後の目標管理戸数を、現在の管理戸数6,993戸に対し、将来必要とみられる戸数5,870戸を上回る5,900戸に設定する。
改定は国の策定指針に沿うもので、社会経済情勢の変化などを踏まえ、上位計画である公共施設等総合管理計画にも基づき、長期的な需要の見通しにより、事業の重点を「再整備」から「既存ストックの長寿命化と改善」に移行させている。
改定に当たっては、団地別・住棟別に状況を把握した上で、団地では立地や需要、効率性について、住棟では躯体の安全性と浴槽の有無など居住性の改善の観点から判定した。
この結果、浜野や千種町、轟町第1~2など26団地・4,533戸は長寿命化型または福祉対応型、居住性向上型として改善を図る。
また、小倉台団地を145戸の規模で現在建て替えている一方、大宮町第1~2など木造、準耐火構造の6団地・350戸については用途廃止とするとともに、千城台第1~4の4団地・1,417戸については、617戸にまで戸数を減らすなどとした。残る1,348戸については「維持管理」を図る。
改善に当たっての方針では、長寿命化型では耐久性の向上を目指し、福祉対応型では住戸と共用部のバリアフリー化を推進。居住性向上型では浴槽などの設置を進め、居住性の向上を図る。
再整備に関しては一方で、公的賃貸住宅の状況などを踏まえ、再整備の戸数をコントロール。用途廃止団地は移転先を確保した上で入居者の居住の安定を図る。余剰地については市営住宅の需要や利活用を検討した上で処分していくとした。
今回の計画案ではライフサイクルコスト(LCC)についても算出しており、計画の期間中に長寿命化型改善事業を実施し、耐用年限70年まで活用する場合と、実施せずに50年で建て替えた場合に要するコストを算出。年間で比較すると、改善予定のうち13団地では戸当たり年平均改善額が112万4,000円、団地当たりの年平均縮減が1億8,952万2,000円となっている。