今市福田線 4車線化 本年度から詳細設計 ターミナル岩切移転で(宮城県とJR貨物)
[2018/4/28 宮城版]
宮城県と日本貨物鉄道(JR貨物)は4月26日の夜、岩切地区(仙台市宮城野区)への新貨物ターミナル駅移転に関し、宮城野区田子地区で住民への説明と意見交換会を行った。同地区を含む仙台市東部地区町内会は2月に要望書を提出し、新貨物ターミナル駅の移転による交通渋滞など、周辺地域に及ぼす影響への対策などを求めた。同席した仙台市の担当者は、交通量の増加が予想される県道141号今市福田線について、延長約1kmの4車線化に向けて本年度中に詳細設計を進める考えを示した。
田子地区の説明会は、4月26日の夜に田子市民センターで行われた。事業主体であるJR貨物の関係者をはじめ、宮城県土木部の担当者、仙台市の道路、下水道などの担当者らが出席し、集まった住民約30人に移転事業の内容などを説明した。
新貨物ターミナル駅の岩切地区への移転は、宮城県がJR貨物から現在の仙台貨物ターミナル駅(仙台市宮城野区宮城野原)がある敷地約18haを取得し、そこに広域防災拠点を整備することに関係している。JR貨物は宮城野原に代わり、国道4号山崎交差点の北東側に広がる水田地帯23haを取得し、そこに新駅を整備することにした。
同地区に新駅を建設すると、敷地内にある踏切2カ所が廃止され、既存道路が通行できなくなる。JR貨物と県はこれまで、住民説明会をたびたび開いて周辺への影響などを説明してきた。しかし、生活道路が使えなくなる地域住民からは、不便が強いられることへの不満などが出されている。
このことから、宮城野区の田子、福田町、仙石など14の町内会で構成する仙台市東部地区町内会は、2月20日付で村井嘉浩知事に対する要望書を提出した。新駅の整備に伴い、貨物車両の増加や予想される交通渋滞、冠水被害に対し、対策などを求めた。
住民からの要望では特に、交通渋滞への対策を求める意見が多かった。踏切が廃止されると、生活道路として利用している市道余目高江線などの周辺道路が寸断され、代わって今市福田線に交通が流入することが予想される。
これについて県と仙台市は、現況で2車線の今市福田線を4車線化し、同線とT字交差する県道8号仙台松島線(利府街道)については、右折レーンを延伸するなどの交差点改良を実施する方針を示している。
説明会では、交通渋滞に対する改善策を求める住民に対し、仙台市の道路担当者は、JR東北本線上に架設された今市福田線の陸橋を含め、約1km区間を4車線に増やす考えを伝えた。現在、概略設計をまとめており、本年度から詳細設計に着手する考え。
JR貨物は新駅の移転工事を、ことし中に着手する意向を示した。ただし、着工と同時に踏切2カ所が廃止されるわけではなく、当面は周辺道路の通行は確保される見通し。工期は3、4年程度を見ており、造成などが一定程度進んだ段階で踏切が廃止される。仙台市の考えでは、踏切が廃止される前に、今市福田線の4車線化、仙台松島線の交差点改良を終えるとしている。