県が水防災意識社会再構築事業 水防上重要25カ所に水位計 減災対策協議会で検討へ
[2018/4/24 栃木版]
県は洪水時に氾濫の危険性を知らせる水位計について、新たに25カ所設置を計画しているが、関係市町には5月30日に開く県減災対策協議会に提案する方向で検討している。国土交通省がまとめた「中小河川緊急対策プロジェクト」に基づく29年度補正予算では、都道府県管理河川等の整備の重点化とともに、洪水に特化した低コスト型危機管理型水位計の推進を図っていくとし、本県では25カ所の設置を申請したもの。県河川課によると、洪水浸水想定区域対象の16河川を主体に市町と具体的な設置箇所を検討していく見通しを示した。
県は30年度新規事業として水防災意識社会再構築事業費1億8530万円を予算化。内訳は、洪水浸水想定区域図作成に1億5500万円、市町への水害対応タイムライン作成支援には2970万円を配分した。
洪水浸水想定区域図作成対象の16河川のうち、田川、思川、姿川、黒川(日光)、五行川、小貝川の6河川について29年12月8日に策定。30年度には、荒川(塩谷)、箒川、那珂川、袋川、永野川、巴波川、逆川、秋山川、蛇尾川、余笹川の10河川の策定を予定している。
水害対応タイムラインは、基礎自治体の市町が作成する。県は洪水による水位上昇に応じて「逃げ遅れゼロ」を達成するため観測所ごとに決めた基準点からの高さなどを見直し、注意喚起や避難勧告などの判断基準を明確化する。
現在、市町村等への情報伝達は、水位上昇に応じて水防団待機水位(通報水位)、氾濫注意水位(警戒水位)、避難判断水位(特別警戒水位)、氾濫危険水位(危険水位)の4段階に分けている。水位計を新設する25カ所は、水防上重要な箇所として新たに観測地点を増設するもの。
水位計の設置について同省では、人家や要配慮者利用施設・役場などの公共施設といった浸水の危険性が高く、的確な避難判断の水位観測が必要な箇所を提示。避難の判断状況や河川整備計画等の策定のための水位計の設置が全国的に進んでいないのが現状とし、洪水に特化した低コストの危機管理型水位計を設置して、近隣住民の避難を支援していくとしている。
本県の県管理河川にはすでに64カ所の水位計が設置されており、水防災意識社会構築事業と合わせ、国のプロジェクトと連動し新たに25カ所の設置を計画している。