七ケ浜要害に防潮堤新設 貞山運河右岸の292m 詳細設計委託へ(宮城県仙塩港湾)

[2018/4/21 宮城版]
 宮城県仙台塩釜港湾事務所は、仙台塩釜港・塩釜港区に注ぐ貞山運河の右岸側(宮城郡七ケ浜町要害地区)に、防潮堤を新設する。同地区は29年3月に港湾隣接地域に指定され、宮城県が防潮堤を整備できるようになった。延長292mにわたり、胸壁を設置する。同事務所は建設に向け、5月10日に「要害防潮堤詳細設計業務委託」の一般競争入札を開札し、委託者を選定する。

 要害地区で防潮堤を設置するのは、県道23号仙台塩釜線沿いを流れる貞山運河が貞山大橋の手前で分岐し、東側の塩釜港区に注ぐ地点。同運河の右岸側となる。住所は七ケ浜町遠山5丁目ほか。

 同地は昨年3月に開かれた宮城県の港湾審議会幹事会で、港湾隣接地域に指定することが認められた。海岸保全区域と重なるように、水際線から100mの範囲で港湾隣接地域に指定された。海岸保全区域と重複するように指定したことで、港湾管理者である宮城県が海岸管理者となり、区域内に防潮堤を建設できるようになった。

 要害地区では東日本大震災の時に、海岸背後の工場などが津波被害を受けた。そのため宮城県は、L1津波に対応する海抜3.3mの防潮堤を新設する。設置する延長は292m。形式は胸壁タイプとなる見込み。防潮堤内には1カ所に陸閘を取り付ける。

 防潮堤の設置に関し、同事務所は29年度に「要害防潮堤ほか測量設計業務委託」を三井共同建設コンサルタント(東北支社・仙台市青葉区)に委託し、基本設計を仕上げている。30年度は詳細設計業務を委託し、さらに設計の精度を高める。

 詳細設計業務については、5月7日まで一般競争入札の参加を受け付けている。参加対象は、県内に事業所があり、県の建設コンサルタント(港湾および空港)A等級と測量(公共測量)A等級にそれぞれ登録している事業者。簡易型(実施方針型)の総合評価方式を適用し、同10日に開札する。予定価格は2819万7000円。

 委託する詳細設計業務では、防潮堤のほか陸閘1基分の設計もまとめる。地区内を通る雨水排水路の樋門(吐き口)を改修することとし、2基分の詳細設計もまとめる。また、用地取得に向けて、土地8.5haを対象にした用地測量も行う。履行期間は12月28日まで。

 防潮堤の建設工事は現時点で、31年度以降の着工が見込まれる。
20180421sen

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