6,547件・4,088億円を取扱 29年度の県内公共工事動向(東日本建設業保証千葉支店)
[2018/4/14 千葉版]
東日本建設業保証千葉支店(新宅隆支店長)がまとめた、前払金保証から見た県内公共工事の動向(29年度版)が13日、明らかになった。29年度の前払金保証取扱高は、件数が6,547件で、前年度比101件(1・5%)、請負額については4,088億9,500万円で同7・5%(330億3,200万円)のともに減となった(表参照)。減少は国の補正予算の影響が大きかったものとみられる。
発注者別に前払金保証取扱高をみると、国は195件・221億7,500万円で、請負額は28年度と比べて70億1,000万円(24・0%)のマイナスとなった。主な要因として、国土交通省による外環道の関連工事や東京湾造成工事、防衛省の補給倉庫新設工事といった大型工事の取扱減がある。
独立行政法人等は、280件・1,143億2,000万円で、28年度比で件数は31件増加したものの、請負額は38億1,000万円(3・2%)の減額。成田国際空港(NAA)や日本中央競馬会(JRA)の工事などが増加した一方、東日本高速道路(NEXCO東日本)の外環道関連や、印西市などでの都市再生機構(UR)の工事などの取り扱いが減ったことが大きいとした。
都県は全体で2,617件・862億0,300万円。28年度と比べて件数は143件減、請負額も同5億5,500万円(0・6%)の微減となっている。
全体の減額は、がんセンターの新棟工事や衛生研究所の新築工事など増額した費目があるものの、江戸川第一終末処理場や香取合同庁舎の取り扱いがそれぞれ減額したことの影響があったとした。
市町村については全体で3,195件・1,612億8,300万円となった。28年度比で件数が104件増となったのに対し、請負額は同80億7,100万円(4・8%)減少した。
請負額の増加した市をみると、新庁舎建設工事で139億円余増えた市川市が最も大きく、次いで君津市のプラス27億円(学校給食共同調理場新築工事)。第3位は市立病院建設工事の完了した松戸市の23億円増だった。
一方で減額が最も大きかったのは、液状化対策工事などの取り扱いが減少した浦安市でマイナス122億円。第2位は北部清掃工場の建設工事が完了した船橋市で71億円減、第3位が新庁舎の工事関連で習志野市の43億円のマイナスという結果だった。
これら以外をみると、地方公社は90件・41億2,700万円で、件数が28年度比14件減、請負額は38億3,600万円(42・4%)の大幅なマイナス。「その他」は全体で170件・207億8,500万円となり、同22件減、105億4,600万円(33・7%)のこちらも大幅減となった。社会福祉法人が63億円、北千葉広域水道企業団など地方公営企業団が13億円減となったのが大きいと分析している。
同社ではこれらのほか、29年度の「中間前払金」の保証取扱高が142件、366億円だったことも公表。28年度比で6件の減だった一方、請負額は15億5,300万円(4・4%)のプラスだった。同制度については今月から▽銚子市▽旭市▽富津市▽匝瑳市▽酒々井町▽横芝光町──で新規に採用されている。