新規採択6地区で設計 農地整備 調査開始が2地区 大崎・栗原管内(県北部振興)
[2018/4/11 宮城版]
県北部地方振興事務所は30年度、大崎・栗原管内の農地整備事業として、新規採択6地区の実施設計業務に着手する。併せて、新規調査2地区の計画調査業務を開始する。8地区を合わせた総受益面積は1004haに上る。いずれの地区も区画整理事業でほ場区画を拡大し、農道や用排水路などを整備し直す。新規調査2地区は、3年ほどかけて調査や基本計画の作成を進め、33年度の事業化を目指す。
30年度の新規採択地区は▽稲屋敷・袋▽上沼▽藤田▽出来川左岸上流▽刎龍▽船越──の6地区。稲屋敷・袋と上沼、藤田は栗原市内、船越と刎龍が大崎市内、出来川左岸上流が涌谷町~美里町内となる。いずれも農業競争力強化基盤整備事業(農地整備事業・経営体育成型)で、ほ場の区画整理を進める。
地区ごとの工事内容や事業費などは別表の通り。6地区を合わせた受益面積は743ha、総事業費は161億7900万円。事業期間は、出来川左岸が37年度まで、残り5地区が35年度までを予定している。
基本的に整地工では1区画当たりのほ場面積を標準で1ha程度に拡大する。道路は幅員5mに広げ、うち4mを砂利敷きで仕上げる。排水路は排水フリューム、用水路はパイプラインまたは鉄筋コンクリート水路に整備し直す。地区内には暗渠排水を整備し、必要に応じて揚水機場を設置する。
刎龍以外の5地区は、5月2日まで事業計画を縦覧している。縦覧場所は、稲屋敷・袋と上沼、藤田が栗原市役所、船越と出来川左岸上流が大崎市役所。刎龍も追って事業計画を縦覧する。
今月に国の採択通知を受け、土地改良法の手続きを進めた後、事業計画を確定する。実施設計業務は夏ごろから順次、委託する。工事は31年度から進める見通し。
30年度の発注予定を見ると、船越は区画整理の実施設計を1工区、2-1工区、2-2工区の3件に分離。いずれも履行期間が約6カ月で、概算業務規模が1000万円以上。1工区には揚水機場1カ所の設計を含む。別途、揚水機場2カ所の地質・土質調査業務を委託する。
出来川左岸上流は、区画整理の実施設計を3件に分けて委託するほか、幹線用水路の基本設計業務と、地質調査業務を発注する。履行期間は実施設計と地質調査が約8カ月、基本設計が約5カ月。
刎龍は、第2四半期に地質調査業務を一般競争入札で委託する。履行期間は約7カ月。概算工事規模は250万~500万円。
栗原地内3地区の実施設計業務などは、県北部地方振興事務所栗原地域事務所が委託する。現時点では発注予定に公表していない。
区画整理の基本計画作成業務は、稲屋敷・袋が岩倉測量設計(栗原市)、上沼が渡工測量設計(同市)、藤田がウィル(同市)、船越が加美測量設計事務所(加美町)、刎龍が古川測量設計事務所(大崎市)、出来川左岸上流が栄和技術コンサルタント(同)に委託した。
30年度に新規調査を開始する2地区は、小野田東部地区と上畑岡地区。小野田東部は加味町内の田川沿いで、受益面積が84ha。上畑岡は栗原市内の伊豆沼周辺で受益面積が177ha。2地区とも第1四半期に区画整理の基本計画作成業務を委託する。