埜原機場建設はWTO 一本松機場で基本設計(関東農政局)
[2018/4/6 千葉版]
農林水産省関東農政局の、30年度の発注予定工事が明らかになった。本局による直接発注を予定する大型案件は同管内で28件。このうち千葉県を施工場所とするものは14件で、その全てが印旛沼二期農業水利事業によるものとなっている。このうち、工事の発注規模として20億円~30億円未満を見込み、WTOの対象となる大型工事の「印旛沼二期農業水利事業埜原(やわら)機場建設工事」は、7月ごろの発注を見込んでいる。
印西市安食卜杭地区で整備される新しい埜原機場は、長門川から取水する揚水機場で、発注に当たっては口径700mmの用水ポンプ2台の更新を図るほか▽機場下部工(RC構造)一式▽吸込水槽工(RC構造)一式▽機場上屋工(RC構造)一式▽吐出水槽工(PC構造)一式▽付帯工一式▽旧機場撤去工一式──を予定。工期には約56カ月を見込み、主要な資材として▽生コンクリート5000立方m▽鉄筋500t▽PHC杭(φ1,000mm)60本▽PHC杭(φ800mm)80本▽PHC杭(φ450mm)60本──としている。基本設計は27年度にNTCコンサルタンツ(名古屋市中区)、実施設計は28年度に若鈴コンサルタンツ(千葉事務所・佐倉市)が担当した。
同機場は受益面積として593ha、最大取水量には1秒当たり1・99立方mをそれぞれ想定。用水不足が生じていた一本松機場の掛かり末端部分を埜原機場掛かりに再編するのが狙いだ。
このほか、工事発注規模を3億円~6・8億円未満とした印旛沼二期農業水利事業の大型案件は▽宗吾西機場ポンプ設備製作据付工事▽宗吾西第2号幹線用水路その1工事▽宗吾西第2号幹線用水路その2工事▽宗吾西機場▽宗吾西第1号幹線用水路その2工事▽宗吾西第1号幹線用水路その3工事▽宗吾西第1号幹線用水路その1他工事──の7件を予定する。
このうち、印西市山田干拓地区の宗吾西機場ポンプ設備製作据付工事は、口径600mmのポンプ3台、同900mmのポンプ1台を製作・据付するもので、埜原機場と同様おおむね7月ごろの工事発注となる見通しだ。工期は約19カ月。
また、同じく宗吾西機場で計画する吐水槽建設工事は8月ごろの発注を計画。主要資機材として生コンクリート2,000立方mと、鉄筋140tを見込んでいる。
出先事務所の発注予定についてみると、利根川水系土地改良調査管理事務所では、大利根用水国営施設機能保全事業として、東庄町笹川地区で笹川揚水機場水管理施設改修工事の発注を、6月をめどに予定。業務では「国営土地改良事業地区調査手賀沼地区事業計画策定業務」の委託をプロポーザル方式で計画するほか、国営造成施設水利管理事業両総地区用水計画検討業務などの簡易公募型競争入札を予定する。
北総中央農業水利事業所では、工事と業務5件ずつの発注を予定しており、このうち富里市御料地区の「富里揚水機場ポンプ製作据付工事」は、口径700mmのポンプ1台を製作・据付するもので、工事発注規模に9,000万円~1・2億円未満を見込む。また「15号調整水槽加圧機場実施設計業務」は、9月ごろのプロポーザルを計画する。
印旛沼二期農業水利事業所でも、本局発注以外に4件の工事発注と、業務23件の発注を予定。一本松機場基本設計業務は7月ごろのプロポーザルによる委託を予定している(発注予定の一覧は関東農政局のホームページを参照)。