基本計画策定へ準備 民活検討も「意義あり」 (八千代市新庁舎)

[2018/3/30 千葉版]

千葉県八千代市は、検討が進められている新市庁舎の整備に向け、30年度は基本計画の策定を進める。22日に開かれた庁舎整備手法等専門会議では、同計画の作成手法についても話し合われ、庁舎に求める機能や必要規模などを盛り込む方針が説明されるなどした。配置についてはこれまでに、旧館・新館の改修または新築との組み合わせで、4つの案が示されており、これらも精査されるとともに、事業手法も提案される見通し。基本計画策定業務の委託は今後、30年度の発注に向けて準備が進められる。

現在までの4案は[1]旧館・新館の改修+新築(新築約7,300平方m、改修約1万0,300平方m)[2]新館の改修+新築+旧館の解体(新築約1万2,000平方m、改修約5,700平方m)[3]新築+旧館・新館の解体(新築約1万7,700平方m)[4]全館の新築+解体(新築約1万8,500平方m)──で、概算事業費をそれぞれ[1]約91・6億円[2]約95億円[3]約99・9億円[4]約104・5億円(上下水道局分8・6億円は含まず)──とするとともに、各メリット・デメリットが示されるなどしている。

市では4月以降、これまでの専門会議に代わり、可能な限りの合意形成を図るため、基本計画の策定に向けた公募市民を含む検討委員会などを新たに立ち上げるとともに、市民にも説明会やワークショップなどさまざまな手段を通じて理解や意見を求める方針だ。

22日の専門会議では、民間事業者に対する意向調査の結果も説明。事業手法として適するものとして▽DB方式▽DBO方式▽PFI(BTO)方式──のいずれも不適だとした事業者がなかったことから、いずれの手法も適用の可能性があるとした。

調査ではまた、庁舎の集約化に伴う上下水道局跡地の市または民間による活用に向けた事業者のアイデアも提示。事業者から「関心がある」との回答が多かったことから、事業実施に当たっても一定の応募が期待できるとした。

併せて、庁舎単独の整備では創意工夫の余地が限られる一方、複合化などでVFMにつながる提案が可能だとの意見が寄せられたとし、庁舎の複合施設化(他の施設併設)については、経済性と市民サービス向上の両面で効果が期待できることから、検討する余地があるともしている。

市では4案で簡易VFMも試算。DBO方式を適用することでVFMが見込まれるとされた一方、BTO方式では大きなVFMは見込めない結果となった。ただし、条件が変わればより大きなVFMが得られることも期待できるとし、事業に当たってBTO方式を含めた民活手法の導入について検討を進めることは意義があるとした。

今後策定される基本計画では▽基本的な考え方(理念・方針)▽庁舎機能(概要)▽庁舎の規模▽事業費及び財源▽事業スケジュール▽その他庁舎整備に必要な項目──が検討されるとともに、今後の設計に当たって必要な要件として▽整備方針▽庁舎機能(条件整理)▽(機能を実現するための具体的な設備、諸室機能、庁舎規模、配置条件、建物構造等)▽建物配置計画▽デザインコンセプト▽事業費及び財源(再精査)▽事業計画▽事業手法▽その他──をまとめていく方針だ。

市ではこれまでに、29年2月の入札で、庁舎整備手法等検討調査業務をパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)に委託。30年度の当初予算には、基本計画の策定に向け、2,479万円の事業費を計上するとともに、同計画の策定に必要となるオフィス環境整備現況調査に1,462万円を確保している。

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