船形地区を建設最適地に 新清掃工場 候補地審議会が答申(野田市)

[2018/3/27 千葉版]

千葉県野田市の諮問機関である「市新清掃工場建設候補地選定審議会」(瀧和夫会長)が25日に同市庁舎で開かれ、建設候補地の最適地として船形地区の第二清掃工場隣接地が妥当だとする答申案が了承された。答申書は審議会の終了後すぐに瀧会長から鈴木有市長に手渡され、今後市は地元説明会などを通じて周辺住民に建設への理解を求めていく考え。23年8月の諮問から6年7カ月、全40回に及んだ同審議会は、一定の結論を導くに至った。

答申書を受け取った鈴木市長は、長きにわたって進められた同審議会の委員らの労苦をねぎらいながら、市として住民の理解を得るのに全力を挙げることを説明。答申書では船形地区について、候補地の選定基準に基づいて選び、生活環境影響調査(環境アセス)により周辺環境への影響が少ないという結果から同地が妥当と判断するとした一方、今後の建設に当たっては、当該地域におけるまちづくりの拠点となり得るよう、地元の意向を十分に反映した上で総意を得るよう求めた。

環境アセスは、その実施に同意が得られた船形地区で実施。一方で、もう一つの候補地としていた河川防災ステーション建設予定地の隣接地である目吹地区では、アセス自体が拒否されたため、候補地から除外され、事実上候補地は船形地区1カ所に絞られていた。

アセス調査と施設整備基本計画の策定は、28年6月のプロポーザルで業務を委託された八千代エンジニヤリング(千葉事務所・千葉市中央区)が実施。29年12月の審議会ではアセスの内容が説明され▽大気質▽気象▽悪臭▽水質▽底質▽動植物▽湧水▽地下水▽騒音・振動▽土壌▽農作物──のいずれの項目も、基準値を超えるデータは得られなかったとした。

併せて策定中の施設整備基本計画では、その方針として、施設配置と煙突高さの設定、公害防止基準値の設定について基本的な考え方が示された。

それによると施設配置については、敷地内に▽工場棟▽計量棟▽管理棟▽駐車場▽緩衝緑地帯──を整備。このうち工場棟はごみピットやごみの焼却炉、煤塵処理のための設備などの機能を収容する。また、ごみの搬出入車両の重量を量る計量棟は、管理棟と一体に設ける場合もあるとした。

配置に当たっての基本的な考え方としては、周辺の農地などに配慮した建物の形状や配置とし、周囲への日影や照明への影響を抑制。敷地周縁には緩衝緑地帯をできるだけ広く確保するとともに、搬出入車の出入口から計量棟までの待機車両スペースを十分に確保することで、周辺道路の渋滞にも配慮する。

ごみを受け入れる工場棟のプラットホームは2階以上に設置するなど、浸水被害を最小限にすることを図るとともに、圧迫感の軽減のため、煙突の位置にも配慮するとした。煙突の高さについては、新清掃工場の同規模程度(日量150t以下)の他施設での事例を考慮し、航空障害灯などが不要で、排ガスの影響や景観への影響が少ない59mで設定したいとしている。

船形地区の候補地は、船形5161ほか周辺地域の敷地面積約3万平方m。新工場は、一般可燃ごみを処理対象とする可燃ごみ処理施設とし、日量処理能力95t、処理方式としてストーカ方式が想定されている。

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