千葉県下全市町村で完了へ 津波避難計画の策定(消防庁)

[2018/3/17 千葉版]

消防庁が調査してまとめた、全国の市町村における津波避難計画の策定状況が明らかになった。津波による被害が想定されている市町村のうち、同計画を策定済みとした市町村は全国で93・8%に達し、29年度中の策定を予定する市町村を含めると97・3%に達するという。千葉県では対象の29市町村のうち、27団体が策定済みとしており、館山市は29年度内に策定予定であるとともに、残る袖ケ浦市も30年度の策定を計画。これにより千葉県下全市町村での計画策定が完了する見通しだ。

全国の策定状況をみると、調査対象となったのは海岸線を有する市町村に加え、海岸線を有しないものの、津波による被害が想定される市町村で、39都道府県中672市町村が該当。このうち、海岸線を有するのは642団体、有しないものは30団体で、前年比で48団体多い630団体で津波避難計画の策定を完了。29年度中の策定を予定している市町村を含めると、654団体になるという。

千葉県の29市町村についてみると、海岸線を有しているのはこのうち26団体。茂原市、東金市、東庄町の3団体は海岸線を有していないが、いずれも津波避難計画の策定は済ませている。

未策定の袖ケ浦市も、先に策定した地域防災計画内の「地震・津波編」の中で、すでに対策が盛り込まれているが、30年度に内容を一部見直す予定で、津波避難計画の策定もこれに並行して進める考えだ。

同市が策定したハザードマップによると、東京湾口(館山市洲崎)で10mの津波があった場合、同市海岸部には2・1~2・4mの津波が到達する予測となっているが、防潮施設や水門が機能すれば、市内に浸水が予想される地域はなく、仮に地震で水門などが機能しなくなっても、浸水地域は限定的だとしている。

平成23年に施行の津波対策の推進に関する法律では、津波が発生、または発生する恐れがある場合の避難場所や避難経路その他住民が迅速・円滑に避難できるよう必要事項に関する計画を定め、公表しなければならないとされている。

全国での調査では、策定済みとする市町村が大半を占める一方で、地域ごとの津波避難計画を全地域または一部地域で策定したとした団体は32・3%にとどまり、予定はあるものの未策定の団体が36・8%、策定の予定がないとした団体は31・0%だった。

また「避難困難区域」のない団体は37・6%、ある団体が30・7%で、その有無を検討していない団体が31・7%となった。避難困難区域があるとした団体のうち、避難施設の整備など対策を実施した団体は57・3%(118団体)だった。(千葉県内市町村の津波避難計画の策定状況)

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