土木部門の復興計画 3次プランを策定 発展期に6500億円投資(宮城県土木部)
[2018/3/15 宮城版]
宮城県議会は3月14日、2月定例会の常任委員会を開いた。6つの常任委員会のうち、建設企業委員会で宮城県土木部は、今月策定した「宮城県社会資本再生・復興計画」の第3次アクションプランについて、取り組み方針などを示した。発展期(30~32年度)を対象に6500億円の予算を投じ、復興事業の総仕上げを行う。
宮城県は東日本大震災からの復興に当たり、宮城県震災復興計画を定めている。宮城県社会資本再生・復興計画は、その土木建築分野の部門別計画に相当するもの。24年3月に第1次のアクションプランを策定し、被災した公共土木施設の早期復旧の指針としてきた。26年3月には第2次アクションプランを策定し、本年度で計画期間を終える。
土木部は県震災復興計画で定める3年間の発展期を対象に、第3次アクションプランを策定した。計画期間は30~32年度。発展期に必要な投資額を、6500億円と試算した。その内訳は、復旧事業が2500億円、復興事業が2400億円、通常事業が1600億円。10年間の復興期間に必要な投資額は、これまで2兆6000億円としていたが、事業費を精査して2兆円に見直した。
第3次アクションプランでは、「次世代に豊かさを引き継ぐことのできる持続可能な宮城の県土づくり」を基本理念とし、被災前よりも豊かな社会資本を整備して先進的な防災・減災機能を備えた県土づくりを目指す。防災集団移転や土地区画整理などのまちづくり事業をさらに推進し、復興事業の総仕上げを図る。
基本目標には[1]壊滅的な被害を回避する粘り強い県土構造への転換[2]いつまでも安心して快適に暮らすことができる生活基盤の整備[3]かつてない賑わいや活力に満ちた東北の発展と宮城の飛躍を支える交流・産業基盤の整備──の3つを掲げた。
各目標を達成する施策として、広域防災拠点の整備や総合的な治水対策、土砂災害の防止対策などを重点的に行っていく。老朽化が進むインフラの長寿命化対策も講じ、地域と連携した生活密着型の社会資本を整備していく。
また、主要プロジェクトには▽緊急施設復旧(災害復旧事業)▽大津波対策▽復興まちづくり支援▽住宅復興▽地盤沈下総合対策▽防災道路ネットワーク整備▽港湾・空港復興──の7つのプロジェクトを挙げた。
このうち、大津波対策ではL1津波に対応した防潮堤など、河川、海岸、港湾施設の整備を完了させる。復興まちづくり支援では、沿岸市町が実施するまちづくり事業を支援し、すべての地区で住宅などの建築ができるように引き渡しを促進させる。住宅復興では、30年度中に災害公営住宅をすべて完成させる。
地盤沈下総合対策では、ゲリラ豪雨に備えて床上浸水対策事業を推進するとともに、名取・岩沼地域の治水に関し、川内沢ダムの整備を推進する。防災道路ネットワーク整備では、32年度末までにみやぎ県北高速幹線道路の供用を実現し、大島架橋事業を完了させる意向だ。