千葉東JCTで車線付加 京葉道路 国道トンネル転用も(湾岸渋滞WG)
[2018/3/14 千葉版]
国土交通省千葉国道事務所などが事務局を務め、県や県警、千葉市、高速道路事業者らで構成する「千葉県湾岸地域渋滞ボトルネック検討ワーキンググループ(WG)」の第8回会合が13日、千葉市稲毛区の千葉国道事務所で開かれ、千葉地区の渋滞状況の説明と対策などが話し合われた(写真)。この中で東日本高速道路(NEXCO東日本)も京葉道路の渋滞対策を説明し、千葉東ジャンクション(JCT)周辺の車線付加などを検討していることを明らかにした。
議事に先立ち、同WGの座長を務める千葉国道事務所の八尾光洋所長があいさつ。29年4月に事業化した湾岸千葉地区改良(蘇我地区)の推進について、周辺計画や大規模商業施設の出店により、今後どのような道路ネットワークが必要になるか見極めなければいけないとした上で、県や千葉市、高速道路事業者の協力をお願いしたいと述べ、国交省としても検討していきたいとした。
議事では事務局が渋滞の実態や課題のほか、実施済みの事業についてはその効果を説明。県や千葉市もそれぞれの要望などを述べるなどした。
京葉道路の渋滞対策についてNEXCO東日本は、穴川インターチェンジ(IC)~貝塚ICで実施した、既存幅員の中での3車線化や、幕張ICと花輪ICの上り線で実施した加減速車線の延伸による効果を説明。併せて、幕張パーキングエリア(PA)~幕張IC間、幕張IC~花輪IC間、花輪IC~船橋トールバリヤー(TB、料金所)間の上り線で、加減速車線を接続する事業を計画、5月以降に通行規制を伴う工事に着手することを明かした。
また、休日夕方に激しい渋滞が発生する千葉東JCT~貝塚IC間の上り線では、千葉東金道路の既存車線約0・4kmを、幅員を保持して3車線化するとしたのに加え、JCTから東京方面に流入する加速車線の延伸を「ステップ1」として実施する方針を示したほか、ソフト面でも数カ所の「サグ」があることなどで速度が低下しがちな区間について、東京湾アクアラインでも導入されているペースメーカーライトを採用、無意識の速度低下抑制を図るとした。貝塚トンネル部分の約0・5kmと穴川IC(東)~同(西)間約1kmに設置予定だとしている。
このうち京葉道路の貝塚トンネル上り線については「ステップ2」として、車線を付加させるため、並行する国道16号の既設のトンネルを高速道路へ転用する案を主軸に、関係機関との協議・調整を進めていることが明かされ、埋蔵文化財調査などで千葉市らの協力を仰いでいることなどが説明された。
当日のWGでは、千葉市から木更津市にかけての湾岸地域の課題として、国道357号などの一般道路でも交通量が多い上に、大型車の混入率が高く広範囲で渋滞が発生しているとし、一部の箇所で対策の効果が発現している区間はあるものの、いまだ物流の効率性を阻害。今後計画されている千葉港の機能強化や、千葉市とその周辺地域の大規模商業施設の開発に伴う交通需要の増大も懸念されており、さらに今年6月が見込まれている外環道三郷南IC~高谷JCT間の開通による交通状況の変化を注視する必要があるとした。
事務局では今後、早期の道路ネットワークの具現化に向け、国道14号や16号、357号周辺の交通状況の調査、分析が必要であり、過去の交通発達状況や道路整備状況を調査した上で湾岸地域の各路線の役割を整理。同地域のポテンシャルを十分に発揮させるため、規格の高い道路の必要性についても検討し、計画を策定していくとした。
これに対し県も、東京湾岸道路の千葉地区専用部や未整備区間の早期の計画具体化が必要であり、渋滞対策としてだけでなく、高いポテンシャルを生かすため、湾岸軸の道路ネットワークの強化と、これに伴う新たな自動車専用道路の検討が必要だと訴えた。
千葉市もまた、市が整備を進めている塩田町誉田町線とともに、千葉中環状道路を構成する湾岸蘇我地区の渋滞対策が喫緊の課題だとし、規格の高い千葉地区専用部などのルートや構造規格の調査検討が必要だとした。