学校整備費68億円計上 宮城一高改築で設計 30年度学校整備計画(宮城県教育庁)

[2018/3/13 宮城版]
 宮城県教育庁は開会中の宮城県議会2月定例会に、30年度に実施する県立学校施設の整備事業計画を提出している。県立高校や特別支援学校の校舎建設費などとして、30年度予算案に総額68億6074万円を計上している。老朽化対策として宮城第一高校(仙台市青葉区)の改築事業を新規で進めるほか、大河原町内に新設する南部地区職業教育拠点校の校舎整備を新規に着手する。

 宮城県教育庁が示した県立学校施設整備事業によると、計上した事業費68億6074万円は29年度比で74・5%減(197億9681万円減)。震災で被災した宮城農業高校(名取市)、気仙沼向洋高校(気仙沼市)の災害復旧が一段落したことなどで、事業費が大幅に縮小する。30年度から新校舎を供用する両校では、災害復旧の継続として仮設校舎を解体する。

 計上した68億6074万円のうち、県立高校分は災害復旧を含め53億0739万円で、全体の77・4%を占める。特別支援学校分は15億5335万円となる見込み。

 宮城第一高校の改築事業では、旧宮城第一女子高校時代から使用している校舎、体育館などを解体し、跡地に新校舎(RC造8122平方m)や体育館(S造1968平方m)、部室・弓道場・倉庫など1044平方m分の付属施設を建設する。大規模公共事業として、総事業費77億4556万円を試算している。30年度は校舎改築と仮設校舎の建設に関し、設計業務に着手する方針。事業費7215万円を確保する。

 同校では第2グラウンドの整備も継続して実施することとし、30年度分の事業費として設計、工事、施工監理に2億5213万円も計上している。

 柴田農林高校(大河原町)と大河原商業高校(同)を統合し、新たな職業教育系高校を設立する南部地区職業教育拠点校の整備事業には、設計委託料として7204万円を計上した。

 同校の整備では、柴田農林高校の敷地を活用し、既存校舎を解体した上で跡地に延べ9200平方m規模の新校舎や延べ1600平方m規模の農業実習棟などを建設する。現在、設計業務の公募型プロポーザルが進められており、現時点で提案予定者5社が絞り込まれている。20日に特定結果が公表される予定だ。総事業費は69億8675万円を試算している。

 県立高校では屋内運動場の老朽化対策として、改築や大規模改造工事などを11校で実施する。このうち、新規に着手する改築事業は5校。設計や地質調査を行うもので、各校の事業費は▽名取高校5105万円▽佐沼高校5442万円▽柴田農林高校川崎校1654万円▽松島高校5286万円▽角田高校5388万円──となっている。

 また、新規に着手する屋内運動場の大規模改造工事は3校で予定。設計を委託するもので、各校の事業費は▽利府高校(第1体育館)612万円▽宮城広瀬高校614万円▽石巻西高校(講堂の天井落下防止対策含む)415万円──となっている。

 一方、特別支援学校の整備事業では、視覚支援学校(仙台市青葉区)の寄宿舎改築について、工事と施工監理を発注する考え。30年度分の事業費として9185万円を確保する。

 同校の新寄宿舎は、RC造2階建て延べ1085平方mの規模で建て替える。現在、盛総合設計(仙台市青葉区)が設計業務をまとめており、7月末までに納品される予定。工事発注は30年度の後半と見られる。

 同校では校舎の改築も予定されており、30年度に設計業務が委託される見通し。今後は新施設の建設工事と、既存施設の解体工事の発注が見込まれる。

 また、気仙沼支援学校(気仙沼市)と石巻支援学校では、新規に屋内運動場の大規模改造事業に着手する。30年度は設計業務を委託することとし、事業費として気仙沼支援学校分に472万円、石巻支援学校分503万円を確保する。

30年度主な県立学校施設の整備事業(PDF)

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