30年度の取組方針 発展期へスパート予算 総額2132億円計上(宮城県土木部)

[2018/3/10 宮城版]
 宮城県議会は3月9日、2月定例会の予算特別委員会(分科会)を開き、宮城県が提出した30年度予算案について、部局別の審議を開始した。6つの分科会のうち、建設企業分科会で宮城県土木部は、30年度予算案の内容と取り組み方針を示した。一般会計に1973億2031万円を計上。同部は同予算を「復興総仕上げ 宮城の発展へスパート予算」と銘打った。発展期の初年度として復興事業の総仕上げを始めるとともに、被災前よりも豊かな県土を整備していく方針だ。

 県が県議会に提出している一般会計の30年度予算1兆1206億1023万円のうち、土木部分は17.6%に当たる1973億2031万円。29年度比で12.5%減少している(282億5590万円減)。これに流域下水道事業など所管する特別会計3事業分を合わせた予算総額は2132億0934万円で、同12.5%の減少(303億3890万円減)となる。

 29年度予算の執行では、2月時点で1418億円が未執行となっており、30年度に繰り越す方針。さらに28年度の事故繰越分が525億円あるため、30年度は計4075億円の予算を執行することになりそうだ。

 30年度は県震災復興計画で定めた「発展期」の初年度となる。より強靭な県土整備を進める上で、スタートが重要視される。

 土木部は30年度の土木行政を進める上で、【基本目標1】壊滅的な被害を回避する粘り強い県土構造への転換【基本目標2】いつまでも安心して快適に暮らすことができる生活基盤の整備【基本目標3】かつてない賑わいや活力に満ちた東北の発展と宮城の飛躍を支える交流・産業基盤の整備──の3つの目標を掲げた。

 基本目標1では、災害復旧事業の完成率を31年3月末で約96%(箇所ベース)に高めることを目標とし、事業費に1263億円を充てる。防災道路ネットワークの整備推進や石巻南浜津波復興祈念公園の造成、豪雨に備えた河川改修などを実施する。土砂災害の抑制に向け、石巻市羽黒町で急傾斜地の崩落対策を継続する。

 基本方針2では、津波被災地での復興まちづくりを推進しながら、幹線道路の整備を促進する。事業費に266億円を充てる。都市計画道路では源光町田線(栗原市)や植松田高線(名取市)などの事業を継続する。災害公営住宅については、30年度中の全戸完成を目指す。

 基本方針3では、東北を代表する都市として高規格道路の整備を促進するほか、港湾施設の機能拡充、隣県へと通じる主要道路の整備を行う。事業費には305億円を充てる。

 国の直轄事業を補助しながら、三陸自動車道については30年度中に歌津インターチェンジ(IC)~卯名沢IC、本吉IC~大谷海岸IC、唐桑北IC~陸前高田ICの供用を見込む。離島の大島に通じる県道大島浪板線では、一部の完成を見込み、東北自動車道のIC整備では、栗原IC(仮称)の調査検討を新規に始める。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.