相馬亘理線に40億円投入 3橋下部工や盛土発注 県内で一部開通へ(県仙台土木30年度)
[2018/3/9 宮城版]
県仙台土木事務所は、30年度に約40億円の事業費を投入し、亘理郡山元町で県道相馬亘理線の道路新設を進める。40億円の大部分は工事費が占めており、農業用排水路をまたぐ3橋の下部工工事や、高盛土工事、福島県境付近の舗装工事などを発注する。福島県境付近では、同年度に県内約1km区間の供用開始を目指す。
相馬亘理線は、津波から地域を守る二線堤として延長約11kmを整備する計画。幅員は11.5m。ルートは現道を付け替える形で、山元町内を南北に縦断する。高さは盛土で海抜4~5mを確保する。総事業費は113億円を試算しており、財源に復興交付金を活用する。32年度の全体完成が目標だ。
全体のうち、福島県境から北側の延長7.5km区間は坂本工区で、JR常磐線の旧線路敷を利用しながら海抜4mの高さで築造する。途中で交差する坂本川には坂本川橋、戸花川には戸花川橋を架ける。すでに両橋の架設工事は上・下部工とも発注済み。
坂本工区より北側の延長3.8km区間は山寺工区となり、現道と隣接する形で海側に道路を設ける。農業用排水路をまたぐ3カ所には、高瀬川橋、鷲足川橋、落堀橋の3橋を架ける。
高瀬川橋は橋長約30mの単純PCT桁橋、残る2橋は橋長約20mの単純PCプレテンションホロー桁を想定している。これらの下部工は30年度に発注する。
道路工事はこれまでに、坂本川橋や戸花川橋を含め、延長3kmほどを発注しており、奥田建設(仙台市青葉区)や野村建設(山元町)、曲小小倉工務店(宮城支店・仙台市青葉区)らが請け負っている。
福島県側ではすでに相馬亘理線の道路ができあがっているため、県境から北側の延長約1km区間について、30年度に仕上げの舗装工事を発注し、福島県側と合わせて供用開始を目指す。