矢切支所の複合化検討 施設再編計画へ行程素案(松戸市)

[2018/3/1 千葉版]
 松戸市公共施設再編課は、30年度の策定を予定している公共施設の再編整備基本計画に先立ち、マネジメントの方向性や全体行程の素案をまとめた。市本庁舎や消防局、図書館本館、市民会館などを、松戸駅東側に計画する新拠点ゾーン整備の検討と併せて、PPP導入を前提に更新や機能集約を検討していくとしたほか、矢切支所は、近隣の総合福祉会館や二十世紀が丘消防署との複合化による建て替えにより集約化を図ることを、おおむね10年以内に検討、実施するなどとしている。

 支所についてはこれまでに、市内8支所中6支所が建設後30~40年が経過するなどしていることから、10年後以降に目標耐用年数を見定めた上で、集約化や民間施設の活用などで再配置を目指す。このうち東部支所は、東松戸まちづくり用地活用事業で整備される民間施設への機能移転を果たすとともに、旧施設の活用も検討していくとした。

 大半の施設について、建設後30年以上が経過するなどしている消防施設についてみると、消防局庁舎は新拠点ゾーンとともに検討。二十世紀が丘消防署は矢切支所、福祉会館とともに集約化を図る。これらに並行し、消防センター(消防団)や消防訓練センターは優先度を検討した上で、現施設の長寿命化または更新を図る。消防センターを建て替える際には軽量化も図る。

 多くが図書館分館と併設されている市民センターのうち、小金原市民センターは、地域の需要動向を見据えて、地域拠点施設としてリノベーションを検討。小金原地域では地元住民によるワークショップが開かれるなどしており、モデル地区として検討が進められている。追って存続させる市民センターの更新を図る際は、PPPなどによるコスト削減とともに、災害時における防災拠点(収容避難所)として期待できることから、学校やその体育館との複合化も検討する。

 青少年会館は、近接している新松戸プールとともに、体育施設を改修することで、学校の体育施設としての共同利用や近隣公共施設との複合化をおおむね10年以内に検討。文化会館は現施設の長寿命化や更新を図っていくとした上で、市民劇場については追って耐用年数を目途に統廃合または用途転用を検討していくとした。

 市営住宅は現在ある施設の長寿命化は図った上で、建て替えはしないとし、今後は目標耐用年数を目途に、都市再生機構(UR)や民間住宅を活用、統廃合を図っていくとした。

 市では27年7月に策定した「公共施設再編整備基本方針」の中で▽将来的な人口動向に配慮し、公共施設の利便性を高めつつ、地区を意識して配置され、公共施設の延床面積の5割以上を占める教育施設を有効活用することなどにより、総量の最適化を図る▽既存公共施設は、建物性能や施設機能等に着目した多面的な評価を行い、市における公共施設の適正量を見極めた上で、必要な再編整備を行う▽新規の建物は、既存施設の有効活用や民間施設の活用等の検討も行った上で、新たな政策課題や地区別の人口動向等から必要と認められる場合には整備を行う──ことを掲げている。

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