今夏にも工事入札へ 道の駅しょうなんの再整備(柏市)
[2018/2/28 千葉版]
柏市農政課は、再整備を計画している「道の駅しょうなん」について、30年度予算案に工事費など事業費を計上している。プロポーザルで選定されたナスカ(東京都新宿区)が基本設計に続けて実施設計を進めており、工事の発注はこれらがまとまる夏以降になる見通し。工事費を確保し、発注方法を庁内で検討した上で、早ければ今夏の工事入札と、9月の市議会定例会への工事契約案提出を見込んでおり、年度をまたいで整備する。
道の駅しょうなんの再整備を含む手賀沼アグリビジネスパーク事業は、市の都市農業活性化計画と観光基本計画に基づき、農業や観光の振興と、また都市と農村の拠点施設を整備しようとするもので、その「エントランス」として拡張を図る再整備工事には、30年度一般会計予算案で、30、31年度の2カ年総額で16億9900万円(30年度は11億8930万円)を継続費として設定し、着工に向け確保を図る考えだ。
同整備に当たっては、同予算案で継続費とは別に用地費や補償費3億2000万円を計上。アグリビジネスパーク事業については道の駅のほか、水辺の拠点整備設計・工事と手賀沼桟橋の土質調査に3851万円、手賀沼周辺地域の活性化事業に委託料5150万円をそれぞれ確保する。
再整備の対象は、箕輪新田にある敷地面積4万8030平方mで、既存施設を含めた延床面積4190平方mの施設や駐車場、交流広場などを整備。設計では、再整備に伴う建築工事や電気・機械設備工事各一式、再整備に伴う造成・外構工事一式をまとめている。
施設は産業振興・農業振興につながる機能を有し、観光振興と交流の促進につながる機能を有するものを再整備することとしており、これらの施設のほかは、流通研究所(神奈川県厚木市)に委託して策定した再整備基本計画の通りとしている。
合併前の旧沼南町による平成13年の道の駅しょうなんの開業以降、地域農産物の販路や来訪者の休憩施設として役割を果たす一方、道の駅を取り巻く環境変化を背景に課題などが発生、現状の道の駅の施設・機能では、今後の農業振興をはじめとした地域活性化をけん引する施設としては限界を迎えているとした。
こうした中、同道の駅が今後20年を見据えて、手賀沼アグリビジネスパーク事業を具現化していく上で、そのエントランスとなるために基本計画では、再整備の目的を整理した。
具体的には、同道の駅の現状と課題を分析し、再整備の目的として[1]敷地の拡大[2]機能の強化[3]連携体制の強化──を整理。農業振興・地域振興のための機能の充実を図るとともに、地域の情報を集積し、来訪者を誘引し、地域全域に拡散する機能や、時代のニーズに応え、「もの」を「コンテンツ」に変化させ、創出する機能を備え、より地域経済活性化と地方創生を牽引する拠点とするため、▽情報発信・集積▽食と農の体験▽賑わいと交流創出──のゾーンごとにコンセプトを定め、道の駅を再整備するとしている。