リサイクル施設に構想費 30年度予算案 一般会計が3.9%増(南三陸町)

[2018/2/27 宮城版]
 本吉郡南三陸町は、来月2日開会の町議会3月定例会に、30年度予算案を提出する。予算案の一般会計は、前年度比3.9%増の330億円。内訳は、復興関連が246億5500万円、通常分が83億4500万円。主な事業費は、リサイクルセンター整備基本構想策定業務の委託費に615万円を計上した。同業務では、既存のクリーンセンター(戸倉字脇の沢)が古くなっているため、改築を含めて今後の扱いを検討する。

 石巻・気仙沼地域の被災市町は、復旧・復興事業の進捗により、30年度予算案が前年度比で軒並み減額となっている。南三陸町の主な増額要因は、これまで防潮堤の工事費などを繰り越し処理してきたが、方針を変えて29年度に債務負担を設定したため、年度ごとの支払い額が予算計上されるようになったため。

 リサイクルセンターの整備基本構想は、既存のクリーンセンターで行っているリサイクル処理を検証し、ストックヤードの拡張や、プレス機械の更新などについて検討する。クリーンセンター自体も老朽化して解体時期が来ているため、今後の扱いを一緒に考える。

 クリーンセンターは、昭和58年に焼却炉が設けられた。平成になってダイオキシン類の発生が懸念されたため、焼却機能を廃止し、気仙沼市に焼却ごみを搬出するようになった。現在は町内のごみの受け入れや、資源ごみの分別・再利用などを行っている。

 一般会計ではこのほか、災害復旧の工事費として、漁港施設に68億9200万円、道路に15億0884万円、消防団拠点施設に2億2636万円、河川に2000万円を予算化した。

 復興費では、都市再生機構への業務委託費として、被災市街地復興土地区画整理事業に35億7290万円、復興拠点連絡道路等整備事業に15億2400万円、都市公園整備事業に2億3800万円を計上。町の発注分では、漁業集落防災機能強化事業の生活基盤整備等工事費に11億7400万円を充てた。

 これ以外では、海岸防潮堤の設置工事費に11億円、町道の新設改良工事費に3億7000万円、商店街の仮設施設撤去等工事費に7080万円、応急仮設住宅の解体等工事費に5200万円、保育所施設の解体工事費に1700万円、クリーンセンターの給水管整備工事費に3976万円、伊里前小学校体育館の改築工事設計業務委託費に1900万円を盛り込むなどした。

 水道事業会計では、水道施設の災害復旧工事費に8億7817万円を計上。主に被災した水道管の復旧に充てる。一般会計と特別会計6事業、企業会計3事業を合わせた予算総額は413億1740万円で、前年度比3.2%減となった。
20180227sen

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