30年度はアドバイザリ 新処理施設整備の詳細計画(我孫子市)

[2018/2/24 千葉版)]
 我孫子市環境経済部は、建て替えを計画している新廃棄物処理施設について、整備に当たっての詳細計画を先月までにまとめた。大きく2期に分け、第1期は34年度末までに新廃棄物処理施設、第2期は37年度末までにリサイクルセンターをそれぞれ整備。建設工事費に約130億円、年間運営費に約4億5000万円をそれぞれ概算しており、30年度は環境影響調査(アセス)や土壌調査とともに、事業者選定へアドバイザリ業務の委託を予定している。

 既存の敷地である中峠2264および2274の敷地約2.9haでは▽焼却施設▽粗大ごみ処理施設▽資源価値向上施設▽プラスチック中間処理施設──が稼働しており、このうち焼却施設1号炉は昭和48年の完成(設計・施工は日立造船)で、稼働から40年以上と老朽化が進んでいる。

 現施設を稼働させながら同地で整備する必要があるため、第1期ではまず第1段階として、新廃棄物処理施設の建設地となる箇所(第4ブロック)にある資源価値向上施設とその周辺を31年度までに移設・撤去して整地。第2段階として同地に新廃棄物処理施設を建設する。

 35年度以降となる新施設稼働後の第2期では、第3段階として第2・3ブロックの旧焼却施設を移設・撤去。第4段階ではその敷地南側(第3ブロック)に、ストックヤードを含めてリサイクルセンターを整備。両施設稼働後の第5段階は、第1ブロックに残った施設を全て解体撤去するスケジュールとなる。

 新廃棄物処理施設は、コスト面で3炉構成に勝る2炉構成とし、処理方式にはストーカ式焼却炉を採用。1日当たり120t(60t×2)の処理能力を想定する。煙突高さは59mを設定。余熱利用についてはまた、温水は給湯用または暖房用として場内利用するとともに、低圧蒸気復水器のみを設置する全量発電の方式を採用し、2000㎾未満の蒸気タービン発電機を設置。第2期で整備するリサイクルセンターへの送電を見込んでおり、16.5%のエネルギー回収率を目指す。

 施設の正面には堤防を挟んで利根川が流れているため、氾濫した場合に浸水深が5m以上となることが想定されていることから、電気室や中央制御室、発電機など主要機器と制御盤などは2階以上に配置するとともに、地上高5mまでをRC構造とする。費用面などから施設の嵩上げはせず、ランプウェイ工法を採用する。

 施設の内容については、工場棟と管理棟を合築。工場部分には必要な機能のほか運転用の居室、浴槽を配置。管理部分には20人収容の事務室のほか、大小の会議室を配置。小中学生をはじめとする見学者にも対応するため、その機能にも配慮する。

 今後は、リサイクルセンターの整備詳細計画を30年度上期まで継続。第1段階となる既存施設の移設や解体など工事はアセスが終了する31年度下期以降になる見込みで、リサイクルセンターの事業者選定は36年度の予定。旧施設の撤去など第5段階の全ての工事が完了するのは38年度となる見込みだ。

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