新市庁舎 債務280億円 稲毛海浜公園再整備に負担金(千葉市予算)

[2018/2/17 千葉版]
 千葉市の熊谷俊人市長は16日の会見で、30年度予算案を公表した。一般会計の総額は4454億円で、前年度比0.9%増と今回も増額をキープする。これに14の特別会計と3つの企業会計を合わせた、市全体の支出規模は8902億1543万円で、同2.1%の減。設計・施工一括発注(DB)方式での整備が計画されている新市庁舎の建設事業に、限度額280億円の債務負担行為を設定するのが目立つ。

北谷津工場DBOに債務708億円

 一般会計に占める普通建設事業費は、補助155億0343万円、単独231億0702万円を内訳とする386億1046万円で、前年度比12.4%の2ケタ増。補助事業の磯辺4丁目地区液状化対策工事が完了する一方、稲毛海浜公園施設のリニューアル経費が増大したことなどが原因。

 35年度の供用開始が目指される新市庁舎は、久米設計・隈研吾建築都市設計事務所JVがまとめた基本設計によると、現庁舎の南東側(モノレール側)と、南西側(公園側)にそれぞれ低層棟と高層棟をL字型に整備。敷地面積約2万9000平方mに対し、建築面積6800平方m、S造(基礎免震構造)で高層棟は11階(塔屋1階)、低層棟は7階建てで、延床面積は約4万9400平方mで計画する。

 30年度は、4月以降に事業者の選定を公告し、31年3月の契約締結を目指す考えで、事業者選定を支援するアドバイザリー業務の委託を予定しており、4200万円を計上している。

 稲毛海浜公園の施設リニューアル事業については、負担金18億8028万円を計上。公園のポテンシャルを最大限に生かし、より多くの来園者によるにぎわいの創出を図るため、事業者として29年度にワールドパーク連合体(千葉市美浜区)を特定しており、海へ延びるウッドデッキやグランピング、温浴施設などの整備が提案されている。

 DBO方式により、12月にも落札者を決定する予定の北谷津清掃工場の整備・運営に向けては、30年度分の事業費1億6047万円を計上するとともに、限度額708億円の債務負担行為を設定。31年3月の事業契約締結と33年4月の工事着手、38年4月の稼働開始を計画しており、30年度は環境アセスメントとアドバイザリー業務を継続する。

 このほかの主な事業についてみると、雨水対策重点地区での対策を強化するとともに、浸水被害発生箇所への雨水管布設などを実施するため20億9600万円を計上するほか、幕張新都心拡大地区への新駅設置に向けて概略設計費の一部5500万円の確保を図る。

 事業者に日本写真判定を特定した千葉公園ドーム(仮称)の整備に30年度は、9億3000万円を負担するととともに、現施設跡地に整備予定の千葉公園体育館の基本設計などに4400万円を計上。

 再開発ビルの建設に着工した千葉駅東口地区市街地再開発には2億9400万円を助成。同様に同駅周辺の活性化グランドデザインに基づく中央公園と通町公園の連結強化に向けては6億6700万円を予算化する。

 建設関連ではこれらに加え、子どもルームの整備を工事8カ所、設計1カ所で進めるため2億2600万円を計上。プロポーザルで選定されたエム・ケー(東京都日野市)による誉田地区での「産業用地整備支援事業」では、周辺インフラの支援に10億円の確保を図る。

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