石巻・南境地区を選定 一般廃棄物最終処分場の建設候補地(石巻市)
[2018/2/21 宮城版]
石巻市は、新たな一般廃棄物最終処分場の建設場所について、最終候補地を石巻・南境地区に絞り込んだ。今後は地元住民と地権者に向けた説明会を開催し、合意形成に努める。新年度には、現地の環境影響調査業務や地質調査業務とともに、新処分場の基本計画作成業務を委託する予定だ。31年度で基本設計、32年度で実施設計をまとめ、33~34年度で建設工事を進め、35年度までの供用開始を目指す。
石巻・南境地区の建設予定地は、既存の市一般廃棄物最終処分場(南境字大衡山)から数百mほど北西側の山林で、民有地や市有地となっている。面積は約8ha。
建設候補地はこれまで、同地区と、桃生・山田地区、河北・横川地区の3カ所を選び、庁内組織の市一般廃棄物最終処分場建設候補地選定委員会で最終的な絞り込み作業を進めてきた。同委員会は、生活環境部長が委員長、生活環境部次長が副委員長を務め、他の部署の次長クラスが構成メンバーとなっている。
候補地の選定に向けては、28年度に適地選定業務を八千代エンジニヤリング(東北支店・仙台市青葉区)に委託。本年度は「石巻市一般廃棄物最終処分場建設候補地選定に係る追加調査および循環型社会形成推進地域計画書策定業務」を同社に委託した。循環型社会形成推進地域計画書は、最終処分場の建設に当たり、環境省から補助金を得るために策定する。
市は30年度予算案で、一般廃棄物最終処分場の建設事業費として、基本計画策定業務委託費に3820万円を計上するとともに、31~32年度で限度額2710万円の債務負担を設定。併せて、測量調査等業務委託費に2020万円を計上した。
市総合計画の実施計画(30~32年度)には、最終処分場の整備事業費に今後3年間で2億2534万円を試算している。
市の一般廃棄物処理基本計画では、現行の最終処分場が34年度に満杯となる見込みのため、埋立容量が約18万2000立方mの新処分場が必要としている。新処分場は、現在稼働している4つの最終処分場と、すでに閉鎖した河北地区の最終処分場を集約する施設で、供用年数が35年度からの15年間を予定している。年平均の埋め立て量は1万0150立方mを見込む。
既存の最終処分場は、南境地区、河北地区、雄勝地区、河南地区、牡鹿地区の5カ所に設けられている。24年度で埋め立てを終えた河北地区以外の4カ所で、中間処理施設などから排出される残渣を埋立処分している。