発注予定を早期公表 5億円以上の工事32件 門脇流留線整備は3件(宮城県土木部)
[2018/2/20 宮城版]
宮城県土木部は2月19日、30年度に発注する大型工事と、発注者支援業務の概要を公表した。発注額が5億円以上となる大型工事は、19日時点で32件。発注額が1000万円以上となる発注者支援業務は、29件を予定している。大型工事では高盛土構造に改築する門脇流留(ながる)線の道路工事3件や、鎮守大橋(仮称)の下部・上部工など3件を発注する予定。松島自然の家の移転改築では、本館および体育館の本体工事を発注する。
早期公表された発注予定のうち、大型工事の見込み件数は29年度同期比で2件減。発注額が22億9000万円以上となるWTO対象工事は予定されていない。
工種の内訳は▽土木一式25件(29年度同期比3件増)▽建築一式2件(同2件減)▽電気2件(同2件増※電気通信含む)▽鋼構造物2件(同1件増)▽鋼橋上部工1件(同3件減)──となっている。土木一式が全体の78%を占めている。
唯一の鋼橋上部工工事は、都市計画道路・矢本門脇線の構造物として定川に新設する新定川大橋(仮称)の上部工工事(橋長192m)。第2四半期に一般競争入札を公告する。
四半期別の件数は、第1四半期が17件(同9件増)、第2が9件(同5件減)、第3が5件(6件減)、第4が1件(同数)。唯一、第4四半期に発注するのは、松ケ島橋(東松島市)付近を通る県道奥松島松島公園線を内陸側に移設する「宮戸道路改良工事」。道路土工や地盤改良を行う。
32件とも概算工事規模は5億~22億9000万円が見込まれる。
32件のうち、道路工事(橋りょう工含む)は14件。津波に対する二線堤として、現道を高盛土構造にする都市計画道路・門脇流留線の工事は、第1四半期に「門脇道路改築工事その2」と「魚町道路改築工事その2」の一般競争入札を公告する。また、第3四半期に「門脇道路改築工事その3」の一般競争入札を公告する。
3件の施工地は石巻市大街道東や同市魚町など。施工延長は、門脇道路改築その2が1400m、魚町道路改築その2が850m、門脇道路改築その3が1300mを予定している。
橋りょうの工事では、旧北上川河口に新設する鎮守大橋について、橋台と橋脚4基を打設する「仮称・鎮守大橋橋りょう下部工工事」を第1四半期に発注。第2四半期にはアプローチ部分を施工する「仮称・鎮守大橋橋りょう取付道路工事」を発注する。これを経て、第3四半期には「仮称・鎮守大橋橋りょう上部工工事」を発注する。
鎮守大橋は、石巻市川口町と門脇町の間に架設する橋長536mの9径間橋。アプローチ部分を含めた延長754mの橋りょう架設事業を、宮城県が石巻市から受託している。
防潮堤や河川堤防の災害復旧などは13件。これまでWTO対象などの大型工事が数件発注されている津谷川(気仙沼市本吉町)の復旧では、第2四半期に「津谷川河川災害復旧工事」と「津谷川河川災害復旧工事その2」を発注する見込み。両工事で計360mの築堤を行う。
2件ある建築一式工事のうち、1件は「松島自然の家改築工事」を第3四半期に入札公告する。旧宮戸小学校(東松島市)の敷地内に、RC造3階建て延べ2691平方mの本館と、S造2階建て延べ900平方mの体育館を建設する。同自然の家は昨年6月、先行して野外活動フィールドがオープンした。
建築一式工事のもう1件は、本年度中に発注が予定されていた「仮称・女川オフサイトセンター新築工事」。第1四半期に発注時期をずらした。女川原発の関連施設として、被爆を免れるRC造3階建て延べ3686平方mの建物を建設する。
同部では入札不調対策として受注者の計画的な入札参加を促すために、震災以後は毎年この時期に、大型工事の発注予定を早期公表している。