被災3県が1.9%増 公共工事の労務単価 3月から適用(国交省)
[2018/2/17 宮城版]
国土交通省は16日、3月から適用する公共工事設計労務単価を公表した。有効標本が得られた48職種の平均単価は、全国で前年度比2.8%増の1万8632円となった。宮城、福島、岩手の被災3県は平均が2万0384円で、同1.9%の増。伸び率はやや落ち着きを見せ始めているものの、25年度から継続して伸びており、24年度比で見ると被災3県は55.3%の増となる。
本県の所定労働時間内8時間当たりの職種別単価は別表の通り。29年3月から適用されている単価と比較すると、全職種で上昇した。具体的には、普通作業員が600円の増、造園工が500円の増、とび工や塗装工、鉄筋工、型枠工が300円の増、電工が900円の増、配管工が1000円の増、内装工が200円の増などとなっている。
単価設定に当たっては、昨年10月に施工中の工事から、調査対象となる51職種の建設労働者を選び、賃金の支払い実態を把握。有効標本数は全国で10万0175人だった。タイル工、屋根ふき工、建築ブロック工は、十分な有効標本数が得られず、単価設定に至らなかった。さらに本県では、石工、山林砂防工、建具工も有効なデータが確保できず、単価を設置していない。
今回の調査では新たに、休日拡大の取り組みに伴う休業手当の支払い状況もチェックし、決定単価に織り込んだ。
単価設定のポイントは、最近の労働市場の実勢価格を適切かつ迅速に反映したこと。併せて、社会保険への加入徹底のため、必要な法定福利費相当額(本人負担分)を適切に反映。被災3県では、入札不調対策として単価の引き上げ措置を継続した。
過去4年間の被災3県の伸び率を見ると、25年が21%増、26年が8.4%増、27年が6.3%増、28年が7.8%29年度が3.3%増となっている。
公共工事の設計労務単価は[1]基本給相当額[2]基準内手当[3]臨時の給与[4]実物給与──で構成。3月以降に発注する公共工事の予定価格を積算する際に用いる。同省は今回の改定により、東北の被災3県では予定価格を一様に0.4%程度押し上げる効果があると見ている。