社会福祉センターの建替設計 指名プロポで千都特定(県)

[2018/2/15 千葉版]
 県社会福祉センター(千葉市中央区千葉港4-3)の建て替えに当たり県は、基本設計業務を委託する指名型プロポーザルで、千都建築設計事務所(千葉市美浜区)を特定したことが14日分かった。今後協議の上、年度内に契約を結ぶ見通し。31年度の実施設計業務もそのまま随意契約で同者に委託される見込みで、32年度の着工に備える。建設工事は32~34年度の3カ年にかけて進め、34年度中の供用開始を見込んでいる。

 指名プロポーザルでの委託に当たり県は、11月の選定委員会で同者のほか▽榎本建築設計事務所▽昭和設計▽内藤建築事務所▽横河建築設計事務所──の計5者を選定し、参加を要請。同月末には説明会を開き、同年内の提案書の提出を求めたところ、全者から提出があったという。

 新たな県社会福祉センター(仮称)は、既存の建物から約50m南東側にある、問屋町交差点に面した県有地2646平方m(千葉市中央区千葉港4-5)に建設する。

 新施設は構造を地上5階または6階建て、規模には延べ5400平方m以内をそれぞれ想定。耐用年数は80年とし、事業費には約27億円を見込んだ。

 既存の施設には県社会福祉協議会のほか、社会福祉や高齢者福祉、障害者福祉、その他の民間団体15団体が入館しているが、これらが新施設に入館するかは今後調整。県では新施設に▽福祉情報センター▽福祉人材センター▽保育士・保育所支援センター▽災害用備蓄倉庫──の機能も新たに併せ持たせる考えでいる。

 既存の県社会福祉センターは、昭和49年1月の建設で、SRC造5階(塔屋2階)建て延べ3789平方mの構造・規模。築後44年が経過するなど老朽化に加え、耐震診断による構造耐震指標(Is値)が0.37と、耐震性能でも問題が指摘されていた。

 建物は県社会福祉協議会が71.5%、県が28.5%の割合で所有しているが、県民福祉の増強を図る拠点施設として整備するため、県が主体となって建て替える。

 新施設は、大規模災害に備えた耐震性能を持たせ、災害発生時の拠点にもなるものとし、福祉団体の活動拠点として、団体間のネットワーク構築に配慮した事務室を配置するほか、県民の社会福祉活動に柔軟に対応できる福祉情報センター、利用しやすい福祉人材センターと保育士・保育所支援センター、会議室・研修室を整備。バリアフリー化や景観にも配慮する。

 新施設供用後は、既存施設は解体される見通しだが、跡地の利用などは未定となっている。

 基本設計の委託料は29年6月の補正予算で、期間を30年度、限度額を3400万円とする債務負担行為を設定。30年度予算案には整備事業費として4460万円が計上されており、基本設計に加え、地質調査と土壌調査、建設予定地に残る旧女性サポートセンター一時保護所の解体工事設計の委託を予定している。

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